空冷と水冷の違いはシリンダーを直接、気流で冷やすか、気流で水を冷やし、その水でシリンダーを冷やす事で間接的な冷却を行うか、の違いです。
当然、
間接的である分、水冷方式の方が冷却効率は悪いと考えられます。
それなのに、何故、空冷では無く、水冷なのでしょうか?
しかも
現在のバイク・シーンは殆ど水冷エンジンで占められ、
空冷はテイストを求めるもののみとなっています。
少排気量のバイクも水冷化により4気筒でもコンパクトにまとめ上げられる様になりました。
HONDA CBR250RR
答えは
水冷の方が冷却が均一に行えるからです。
空冷の場合シリンダーの横から冷却風が当たる場合、
前は良く冷えますが後ろの冷却は悪くなります。
これはシリンダーを横に寝かしたとしても同じでヘッドは良く冷えますが、クランク軸方向の冷えは悪くなります。
しかし、水冷にすると
水は比熱が大きいので、水を循環させる事でシリンダーの
どの部分も同じ様に冷やす事が
出来るのです。
そして、空冷時代には当たり前だった各部の熱膨張によるガタを予め取っておく必要が無くなった事により、
部品の組み合わせ精度を上げる事が出来る様になりました。
これは結果的に
部品の軽量化に貢献し、ラジエターやポンプ等の余分な部分が増えても
重量を抑える事が
出来る様になったのです。
また、エンジンの
回転数も空冷時代より高く出来る様になり、
性能向上に大きく貢献しました。
HONDA ホーネット600
HONDA CB1000SF ( Big1 プロジェクト )
水冷エンジンはノッペリしていて
存在感が薄いと陰口を叩かれましたが、実際にネイキッド・モデルを
作ってみるとフィンが無くても
エンジンの存在感は少しも損なわれていません。