人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「峰風」とともに

minekaze.exblog.jp
ブログトップ

534.エンジンの冷却方法 水冷システムの普及

 空冷と水冷の違いはシリンダーを直接、気流で冷やすか、気流で水を冷やし、その水でシリンダーを冷やす事で間接的な冷却を行うか、の違いです。
当然、間接的である分、水冷方式の方が冷却効率は悪いと考えられます。
それなのに、何故、空冷では無く、水冷なのでしょうか?
しかも現在のバイク・シーンは殆ど水冷エンジンで占められ、空冷はテイストを求めるもののみとなっています。
少排気量のバイクも水冷化により4気筒でもコンパクトにまとめ上げられる様になりました。

HONDA CBR250RR
534.エンジンの冷却方法 水冷システムの普及_b0076232_195538.jpg

534.エンジンの冷却方法 水冷システムの普及_b0076232_20181760.jpg

答えは水冷の方が冷却が均一に行えるからです。
空冷の場合シリンダーの横から冷却風が当たる場合、前は良く冷えますが後ろの冷却は悪くなります。
これはシリンダーを横に寝かしたとしても同じでヘッドは良く冷えますが、クランク軸方向の冷えは悪くなります。
しかし、水冷にすると水は比熱が大きいので、水を循環させる事でシリンダーのどの部分も同じ様に冷やす事
出来るのです。
そして、空冷時代には当たり前だった各部の熱膨張によるガタを予め取っておく必要が無くなった事により、
部品の組み合わせ精度を上げる事が出来る様になりました。
これは結果的に部品の軽量化に貢献し、ラジエターやポンプ等の余分な部分が増えても重量を抑える事
出来る様になったのです。
534.エンジンの冷却方法 水冷システムの普及_b0076232_1632967.jpg

また、エンジンの回転数も空冷時代より高く出来る様になり、性能向上に大きく貢献しました。

HONDA ホーネット600
534.エンジンの冷却方法 水冷システムの普及_b0076232_20501385.jpg

HONDA CB1000SF ( Big1 プロジェクト )
534.エンジンの冷却方法 水冷システムの普及_b0076232_2112213.jpg

水冷エンジンはノッペリしていて存在感が薄いと陰口を叩かれましたが、実際にネイキッド・モデルを
作ってみるとフィンが無くてもエンジンの存在感は少しも損なわれていません
by SS992 | 2009-11-16 19:32 | メカ談義