「峰風」とともに

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606.HONDA 2stレーサーの変遷

 4stのNRでの再起が不可能と判断したHONDAは初めての2stレーサーNS500
WGPへ投入しました。

NS500 (1982)
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エンジン種類  水冷2サイクル112度V型3気筒ピストンリードバルブ方式
排気量 496.99cm3
最高出力 127.5PS / 11,000rpm
最大トルク ーkgm / 10,500rpm

1984年HONDAは更に高回転・高出力を求めてエンジンを4気筒化したNSR500を送り込みました。

NSR500 (1984) フレディ・スペンサー専用車
特に際立った特徴は外観からは解りません
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エンジン種類  水冷2サイクル90度V型4気筒ケースリードバルブ方式
排気量    499cm3
最高出力  over 140PS/11,750rpm
最大トルク  8.54kgm / 11,000rpm
変速機   常時噛合式6段リターン
サスペンション(前)  テレスコピック(正立)
サスペンション(後)  プロリンク


しかし、カウルを外すとその特徴が現れます。
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このマシンは重心を下げるためガソリン・タンクをエンジン下に装備しており、
本来のガソリン・タンクの位置には排気管のチェンバーが有りました。
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他社がやっている事はやらないと言うHONDAの技術方針の表れでしたが、
実際に作って走らせてみると色々な問題が浮かび上がってきました。

1つ目は低重心化を狙ってエンジン下に装備したガソリン・タンクでした。
走行すればガソリンは減ります。  このため、走行中に操縦安定性が変ってしまうのです。
それも悪くなる方向への変化でした。(重心が上がるのです。)
通常の配置の場合もガソリンが減ると操縦安定性が変りますが、良くなる方向なので
問題ありません。(重心は下がります。)

2つ目は前傾姿勢になったライダーの直ぐ下にマフラーのチェンバーがあるため、火傷する程熱かったそうです。

3つ目はスペンサーのライディングに合わなかった事です。
スペンサーはこのNSR500は「曲がらない」と言って嫌ったそうです。
'84年のニュルブルクリンクの時、4気筒で走ったフレディ・スペンサー
エディ・ローソン(YAMAHA)より、4秒も遅かったのですが、そこで片山敬済のNS500(3気筒マシン)を
与えてみるとあっと言う間にポール・ポジションを取ってしまったそうです。
 彼はカーブでマシンをスライドさせてコーナリングしていたのです。

スライドさせるきっかけはスロットルを開けた時に出る駆動力で「駆動力がでたな」と言う時に
更にスロットルを開けると強大な駆動力が出てタイヤに伝わり、マシンはクルッと回るのです。

そのきっかけが4気筒だと小さくて掴めない、それで3気筒のマシンの方がスペンサーには
合っていた
様です。

これは爆発間隔の違いとかトラクションとかがまだあまり重要視されていなかった時代の事です。
しかし、その後、同爆エンジン(ビッグバン・エンジン)等、トラクションを積極的にコントロールする技術が
生まれ、一時代を築きました。

NSR500(1992) ライダー ワイン・ガードナー
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エンジン種類 水冷2サイクルV型4気筒ケースリードバルブチェーン駆動
排気量 499.27cm3
最高出力 over 180PS / 12,200rpm
最大トルク over 10kgm / 12,000rpm
乾燥重量 over 130kg
変速機 常時噛合式6段リターン
サスペンション(前) テレスコピック(倒立)
サスペンション(後) プロリンク式スイングアーム

ところで余談ですが私のワイン・ガードナーと勝負して勝った実績を持っています。
(青山のホールで開かれたイベントのジャンケン大会でですが・・・。)
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by SS992 | 2010-08-09 21:39 | レース