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649.油冷のスズキ GSX-R750 油冷エンジン

 今回の主人公はスズキ、2stマシンの老舗です。

 RS67 (1967年 2st 125cc 水冷スクエア4気筒)
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 ウルフT90  (1960年代? 2st 90cc 空冷並列2気筒)
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 GT750 (1971年 2st 750cc 水冷並列3気筒)
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 RGV500-Γ (1980年代 500cc 水冷V型4気筒)
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しかし、古い2stマシンについてはクラシックで行こう!で扱うつもりなので
スズキのもう一つの顔、耐久レースで活躍した油冷エンジンを積み、ダブル・クレードルフレーム
頑なに守ったGSX-Rについて述べてみたいと思います。

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スズキは何故、水冷エンジンではなく、油冷を採用したのか、その答えは比較的簡単です。

大排気量車を高速で走らせると空冷の場合、冷却が不十分になって熱ダレを起こし、
出力が落ちてしまうのです。

だったら水冷にすれば良いと考えられますが、スズキの技術陣は別の事を考えていました。

高速回転をするエンジンの部位で一番暑くなり、一番冷却しにくい所はピストンです。

そこでクランク・シャフト側からピストンの内側に向かってオイルのジェット噴流を吹き付ける油冷
アイディアが生まれました。(詳しくは記事No.533

この場合、オイルをただ流すのではなく、ジェット噴流にして吹きつける所に意味があります。

水は比熱が大きく粘度が低いのでただ流すだけでも効果がありますが、オイルの場合、
比熱が小さく、粘度が高い
ので冷却すべき部分の表面とオイルの間に熱の境界層が出来、冷却効果が上がらなくなってしまうのです。

そこで、オイルジェット噴流にして拭きつける事でその境界層を壊し、冷却効果を上げるのです。
(当然、ピストンの裏は水冷での冷却は不可能で油冷にして初めて出来る事です。)
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 このエンジンの吹け上がりは実に素晴らしいものでした。

また、個人的な話に成りますが、私が大型限定解除をした時の試験車両はGSX750Fでした。
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このバイクのエンジンの吹け上がりは実に気持ちの良い物でした。
GSX750FのエンジンはGSXーR750の物を使って減速比を大きくした物でした。)
鴻巣の試験場の外周を走った時の気持ち良さは格別でVFR750Fとどちらにするか迷った覚えがあります。

 VFR750F (1990年式 乗って練習しているのは若かりし頃の私です。)
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もし、ちょっと選択が違っていたら油冷のバイクに乗っていたかもしれません。

 GSX-R750 (1992年式)
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また、SATCS(Suzuki Advanced Three way Cooling Systemu)の存在も魅力的でした。
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これは一番暑くなるシリンダー・ヘッドを水冷、ピストンは油冷、シリンダー側面は空冷で冷やす
各冷却方式の良い所取りをした様なシステムでしたが、残念ながら
大型バイクには装着されませんでした。
(採用したのはGSX-R400 1980年代?のみでした。)

水冷単体冷却方法を研究、煮詰めていくのが最良と判断された様です。

でも私は油冷方式は絶対、未来に残すべき技術だと思います。

 (クラシック・バイク・ブログ 「クラシックで行こう!」 はこちらから )
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by SS992 | 2011-01-24 21:00 | レース