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657.レーサー・レプリカ? レプリカ・レーサー? (2) カワサキ X-09

 カワサキが開発したレーサー、X-09はカウルを纏った状態では平凡なマシンに見えます。

 kawasaki X-09 (1993年式 250cc 2st V型 2気筒)
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しかし、カウルを剥ぎ取ってみるとその特異な正体が現れます。
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特徴的なのは排気管の取り回しで特に左側面の排気管は大きくうねっています。

これはX-09V型2気筒のエンジン・レイアウトを持ちながら、
通常のV型2気筒ではなく、Vバンクが下に向かって開いていると言う前代見聞の構造を持っている為です。
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そしてツイン・スパー・フレームの内側にはほとんど何も無いエア・ボックスになっています。

何故、この様な特異な構造を持っているのでしょうか?

これはエア・ファンネルキャブレターリード・バルブクランク・ケースと言う吸気経路
極力、直線的に配置するのが目的でした。
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更にエア・ファンネルの吸気口の周りの空気を減速し、安定して供給する大容量のエア・ボックス
設置する事が出来ました。
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ツイン・スパー・フレームはかなり高剛性な物が使われていた様です。
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水冷エンジン用ラジエターV字型に窪んでいます。
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ラジエターを極力、前方に配置した場合、タイヤと干渉する寸前までしか前に配置出来ないのですが、
V字型にする事でタイヤとの干渉を避けてより前方に配置する事が出来ました。

これもツイン・スパー・フレーム内が空だから出来た事です。

このエア・ボックスにはフレームを通して新気が導入されます。

そして、カウルにも新気導入用エア・ダクトが口を開けています。
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カウル下方には乾式クラッチ冷却用空気導入ダクトがあります。

これはレーサーでもあまり聞いた事の無い装備ですが、スタート時長い半クラッチ
使い続けなければならないレーサーには有効な装備と言えるでしょう。

これだけ新装備や新機構を盛り込んだX-09ですが、残念ながらレーサー・レプリカの
発売はおろか、レーサーとしても1993年を最後に開発は打ち切られました

時はすでにレーサー・レプリカの時代を過ぎ、ネイキッド・モデルの時代に移って行ったのです。

そして、皮肉にもネイキッド・モデルの先鞭を付けたのはカワサキでした。

 ゼファー 400 (1989年式)
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親会社の川崎重工内部では業績不振の二輪部門からの撤退も囁かれていましたが、ゼファーのヒット
それを打ち破る程のものでした。

その後、カワサキは4stのメーカーとして躍進していったのです。

 (クラシック・バイク・ブログ 「クラシックで行こう!」 はこちらから )
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by SS992 | 2011-02-21 21:00 | レース