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667.鈴鹿八耐の伝説 (5) 直4とV4

 直4とV4一番の違いはその横幅の長さの違いです。
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V4の方が直4の方がエンジン幅が少ない分、マシンのバンク角も大きく取れます。

よりレーサー向きのエンジンと言えるでしょう。

しかし、V4の真価はその耐久性にあります。

エンジン幅が違うと言うことはクランク・シャフトの長さ直4は長くV4は短いと言う事になります。

一本の棒でも太さが同じだったら短い棒の方が長い棒よりも捩れ難いのです。

ましてクランクシャフトは単純な一本の棒ではなく、複雑な形をしています。

つまり、直4よりV4の方がクランクシャフトが捩れ難いのです。

そして上図を見て貰えば判る通り、クランクピンの数も直4は4本、V4は2本と少なくなっています

また、このクランクピンを支えるクランクケースの部分、ジャーナルと言いますが、これも直4は五つ、
V4は三つと少なくなっています
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つまり、摩擦抵抗が発生する部分が少ないのです。

 また、90°V型エンジンはピストンが上下動する時に発生する一次振動も零に出来ます。

フリクション・ロス振動も少なく出来る訳ですから直4よりV4の方が耐久性と言う面では勝れています。

しかし、いくら耐久性に勝れていても性能面で劣っていてはレーサー向きではありません。

666回で述べた様に、直4は等間隔爆発でレーサーの場合、狭いパワーバンドを持っています。

これに対し、V4は不等間隔爆発で排気管の圧力が低い所を使って別の排気を吸いだすと言う効果が
顕著に出る回転数が無く、どの回転数でもある程度の出力を得られます。

これは耐久レースの様な長丁場の場面では有効な特性です。

またエンジン自体の重量は直4とV4でもあまり変りませんは前記した様に大きく変ります

このため、有る程度大きな排気量のエンジンはその重量が重く、幅のある直4にするとマシンの
運動性が悪くなってしまうのです。

つまり、V4の方がエンジンをコンパクトに纏められ、耐久性も高く、運動性も良いのです。

HONDAが最初に手掛けたV4RVF1000と言う耐久レーサーでした。

 HONDA VF1000R  (RVF1000の公道走行型)
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最初は直4で開発していましたがハンドリングが悪く、エンジンをV4にして問題を解決しました。

V4は、より耐久レース向きのエンジンだと言えるでしょう。

 HONDA RVF750 (1990年 750cc)
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 HONDA RVF/RC45 (1998年 750cc)
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1984年のRS750Rでの優勝以来、1999年のRVF/RC45での勝利まで約6回も勝ち続けられたのは
やはり、V4エンジンの優位性であったと言えると思います。

                                                     (この項続く


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by SS992 | 2011-04-14 21:00 | レース