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「峰風」とともに

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686.ツイン・エンジンの可能性 (8) ラベルダとアプリリアの独創性

 ラベルダイタリアのバイク・メーカーです。

現在はDUCATIやMVアグスタばかりが名をはせていますが、イタリアには他にもアプリリア、モト・グッチィ、ジレラ等、名の通ったメーカーだけでも5指に余るメーカーがひしめいていました。

 DUCATI スパッジアリ・レプリカ (2011年 TIO製作)
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( ベベル系Lツイン・スポーツの到達点の一つです。) 

そして得意とする分野もそれぞれ違っていて流石はルネッサンスのお国柄だと感心します。

DUCATI → Lツイン、MVアグスタ → 4気筒マルチ、アプリリア → V4、モト・グッチ → 縦置きV2、
ジレラ → 単気筒 と、各社各様です。(日本とは違いますね。)

今回、取り上げるラベルダ平行2気筒(パラレル・ツイン、通称パラ・ツイン)のメーカーです。

ラヴェルダ1949年設立され、数々の伝説を残しながら2004年にアプリリアに買収され、会社は消え、
ブランド名だけが残った薄幸のメーカーです。
 
さて、それでは彼等の製品を見てみましょう。

 古いモデルのデータが手元に無いので手持ちで一番古い 750 SFC についてまず、
見てみたいと思います。

 ラヴェルダ 750 SFC ( 1970年式 SOHC パラレル・ツイン 後期型2-1マフラー装備 )
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( 後に付いたストップ・ランプ兎の尻尾の様で可愛いです。 )

このバイクはフレームにも独創性が見られました。
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ダイヤモンド型ともバックボーン型ともつかない不思議なデザインです。

ただし、やたらとスイング・アーム長が短いのでアンチ・スクワット性はあまり良くなかったと推定されます。

この時代、カーブパーシャルでやり過ごし、直線に入ってから加速したので問題には為らなかった
のでしょう。

 ラヴェルダ 750S ( 2000年式 水冷 4St DOHC パラレル・ツイン 746.2cc 90.8ps/8950rpm )
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2000年辺りになるとアルミ・ツイン・フレームの使用がレプリカでなくても当たり前になり、カウルも
纏っている
ので、限りなくレーサー・レプリカに近づいていきました

ただし、750SFCの時の様にスイング・アーム短く設定せず極力、長いスイング・アームと極力、短いホイール・ベースの両立に注意が払われているのが印象的です。

後にラヴェルダを吸収合併するアプリリアもこの当時はV4より、V2に力を入れていました。

 アプリリアSL1000 ファルコ(2000年式 水冷4st 60°V2 DOHC 4バルブ997.62cc118hp/9250rpm )
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まだラヴェルダ吸収合併する前の作品なのでエンジンはロータックス製の物を積んでいました。

ツインエンジン可能性はDUCATIのLツインだけのものではありません

パラレル・ツインVツインにも同様なメリットがあったのです。

むしろ、エンジンの前後長を抑えられるのはLツインよりパラ・ツイン、Vツインの方でした。

しかし、DUCATIデスモドローミックの様な売りに出来る機構を持たなかった ラヴェルダファルコ
歴史の闇に呑まれて消えていきました

                                                      ( この項続く )

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by SS992 | 2011-07-07 21:00 | 憧れだった美女達