ラベルダは
イタリアのバイク・メーカーです。
現在はDUCATIやMVアグスタばかりが名をはせていますが、イタリアには他にも
アプリリア、モト・グッチィ、ジレラ等、名の通ったメーカーだけでも
5指に余るメーカーがひしめいていました。
DUCATI スパッジアリ・レプリカ (2011年 TIO製作)
( ベベル系Lツイン・スポーツの到達点の一つです。)
そして
得意とする分野もそれぞれ違っていて流石は
ルネッサンスのお国柄だと感心します。
DUCATI → Lツイン、
MVアグスタ → 4気筒マルチ、
アプリリア → V4、
モト・グッチ → 縦置きV2、
ジレラ → 単気筒 と、各社各様です。(日本とは違いますね。)
今回、取り上げる
ラベルダは
平行2気筒(パラレル・ツイン、通称パラ・ツイン)のメーカーです。
ラヴェルダは
1949年設立され、数々の伝説を残しながら
2004年にアプリリアに買収され、会社は消え、
ブランド名だけが残った薄幸のメーカーです。
さて、それでは彼等の製品を見てみましょう。
古いモデルのデータが手元に無いので手持ちで
一番古い 750 SFC についてまず、
見てみたいと思います。
ラヴェルダ 750 SFC ( 1970年式 SOHC パラレル・ツイン 後期型2-1マフラー装備 )
( 後に付いた
ストップ・ランプが
兎の尻尾の様で可愛いです。 )
このバイクは
フレームにも独創性が見られました。
ダイヤモンド型ともバックボーン型ともつかない
不思議なデザインです。
ただし、やたらと
スイング・アーム長が短いのでアンチ・スクワット性はあまり良くなかったと推定されます。
この時代、
カーブは
パーシャルでやり過ごし、
直線に入ってから
加速したので
問題には為らなかった
のでしょう。
ラヴェルダ 750S ( 2000年式 水冷 4St DOHC パラレル・ツイン 746.2cc 90.8ps/8950rpm )
2000年辺りになると
アルミ・ツイン・フレームの使用がレプリカでなくても当たり前になり、
カウルも
纏っているので、
限りなくレーサー・レプリカに近づいていきました。
ただし、
750SFCの時の様に
スイング・アームを
短く設定せず、
極力、長いスイング・アームと極力、短いホイール・ベースの両立に注意が払われているのが
印象的です。
後にラヴェルダを吸収合併する
アプリリアもこの当時はV4より
、V2に力を入れていました。
アプリリアSL1000 ファルコ(2000年式 水冷4st 60°V2 DOHC 4バルブ997.62cc118hp/9250rpm )
まだ
ラヴェルダを
吸収合併する
前の作品なのでエンジンは
ロータックス製の物を積んでいました。
ツインエンジンの
可能性はDUCATIの
Lツインだけのものではありません
パラレル・ツインや
Vツインにも
同様なメリットがあったのです。
むしろ、
エンジンの前後長を抑えられるのは
Lツインより
パラ・ツイン、Vツインの方でした。
しかし、
DUCATIの
デスモドローミックの様な
売りに出来る機構を持たなかった
ラヴェルダや
ファルコは
歴史の闇に呑まれて消えていきました。
(
この項続く )
(クラシック・バイク・ブログ
「クラシックで行こう!」 はこちらから )