位相クランクとは
Vツインエンジンが
90°のシリンダー・バンク角で無くても一次振動を消去出来る
技術として
HONDAが開発したものです。
具体的には
52°の狭角Vツイン・エンジンの
クランク部分に工夫を凝らして
バランサー無しでも一次振動を消去出来る様にしたのです。
位相クランクと同軸クランクの比較
シリンダー同士の迎え角は
52°なのに
コンロッド同士の迎え角は
90°に近い事が判ります。
位相クランクの構造
この結果、2つの
シリンダーの迎え角は
52°まで狭める事に成功しました。
この数値は現在、
最高峰のV4エンジンの一つ、、アプリリアの
RSV4の
65°よりも
狭い数値です。
RSV4 の 狭角V4エンジン
HONDA ブロス プロダクト2 (1988年式 398cc 37ps/8500rpm )
HONDA ブロス プロダクト1 (1988年式 647cc 55ps/7500rpm )
特に
ブロス プロダクト1は
ジム・カーナ用レーサーとして使用され、人気を博しましたが、使用した友人の
話では
高回転を使おうとしても直ぐに
頭打ちになってしまい、あまり
速く走れないとボヤいていた所を見ると
このエンジン形式は
高回転・高出力型には向かないのかもしれません。
しかし、このエンジンの
開発過程を考えるとこれは
腑に落ちません。
次回は何故、この
位相クランク・エンジンが
開発されたか、その辺りを考察してみたいと思います。
(
この項続く )
(クラシック・バイク・ブログ
「クラシックで行こう!」 はこちらから )