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「峰風」とともに

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693.ツイン・エンジンの可能性 (12) 位相クランクの登場

 位相クランクとはVツインエンジン90°のシリンダー・バンク角で無くても一次振動を消去出来る
技術
としてHONDAが開発したものです。

具体的には52°の狭角Vツイン・エンジンクランク部分に工夫を凝らしてバランサー無しでも一次振動を消去出来る様にしたのです。

 位相クランクと同軸クランクの比較
693.ツイン・エンジンの可能性 (12) 位相クランクの登場_b0076232_16295468.jpg

シリンダー同士の迎え角は52°なのにコンロッド同士の迎え角は90°に近い事が判ります。

 位相クランクの構造
693.ツイン・エンジンの可能性 (12) 位相クランクの登場_b0076232_15553982.jpg

この結果、2つのシリンダーの迎え角52°まで狭める事に成功しました。

この数値は現在、最高峰のV4エンジンの一つ、、アプリリアのRSV465°よりも狭い数値です。

 RSV4 の 狭角V4エンジン
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 HONDA ブロス プロダクト2 (1988年式 398cc 37ps/8500rpm )
693.ツイン・エンジンの可能性 (12) 位相クランクの登場_b0076232_20101261.jpg

 HONDA ブロス プロダクト1 (1988年式 647cc 55ps/7500rpm )
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特にブロス プロダクト1ジム・カーナ用レーサーとして使用され、人気を博しましたが、使用した友人の
話では高回転を使おうとしても直ぐに頭打ちになってしまい、あまり速く走れないとボヤいていた所を見ると
このエンジン形式は高回転・高出力型には向かないのかもしれません。

しかし、このエンジンの開発過程を考えるとこれは腑に落ちません

次回は何故、この位相クランク・エンジン開発されたか、その辺りを考察してみたいと思います。

                                                        ( この項続く

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by SS992 | 2011-07-24 21:00 | メカ談義