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691.ツイン・エンジンの可能性 (10) 振動との戦い ノートン・コマンド

 1950年代に一世を風靡した英国車、中でもノートン1970年代になっても生き残っていました。
しかし、日本車、特にHONDAが多気筒の高回転・高出力車減速機別体のパラレル・ツインと言う、
旧式なパッケージングで市場を争わなければならなかったのです。

 ノートン コマンド JPSバージョン ( 1973年式? )
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排気量が当時の日本車より少し大きかったのでその分、トルクは太く、回転は少なめでも良かったので、クランク360°を採用していました。

日本車でもHONDAのドリームCB72一般走行用には360°クランクのタイプ2を、スポーツ走行用には180°クランクのタイプ1を、と二つのクランク設定を用意していました。

180°クランクのタイプ2は等間隔爆発だったので振動の問題は殆どありませんでした。

360°クランクのタイプ1は不等間隔爆発であったため、振動が発生しましたが、排気量が少ないため、
大きな問題にはなりません
でした。

 HONDA ドリーム CB72 タイプ1 ( 1961年式 180°クランク 等間隔爆発 )
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 HONDA ドリーム CB72 タイプ2 ( 1961年式  360°クランク  不等間隔爆発 )
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(Y部品のソロ・シートやステアリング・ダンパーが付いていて紛らわしいですが、この車両はタイプ2です。)

しかし、ノートン・コマンド750~850ccもあり、しかもパラレル・ツインだったので360°では振動
激しく、市販車はアイソラクティック・フレームと言う、エンジンのラバー・マウントでこの問題を解決していました。

 ノートン コマンド の アイソラクティック・フレーム
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このエンジン搭載方法のおかげで市販車はシルキーな乗り味と絶賛されましたが、レーサーはそうは
行きませんでした。

 ノートン・レーサー JPN-G スタイル ( 1972年式 750cc )
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パニア型の燃料タンクで重心の低下を図り、ハンドリングの向上を狙っていました。

ノートンレーサーのフレームを見るとアイソラクティック・フレームを採用していない様に見えます。

 ノートン・レーサーのフレーム
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ノートン・レーサーライダーライバルと戦う前に自車の猛烈な振動と戦わなければ成らなかったのです。

パラレル・ツインもまた、高回転・高出力型とするにはバランサーが必要不可欠なものだったのです。
                                                        ( この項続く

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by SS992 | 2011-07-16 21:00 | 憧れだった美女達