パリダカ・マシン NXR は
劣悪な環境と使用
燃料の質の悪さを考慮して、必要以上に
高回転を求めませんでした。
しかし、もし、
充分な整備と高オクタン価の良質な燃料を使用出来る環境であったならどうでしょう。
1000ccクラスで
超ショート・ストロークの
狭角Vツインが可能になるのではないでしょうか?
ブロスのエンジンが
頭打ちが早く来てしまうのはエンジンの
ストロークが長めであり、
高回転で廻すと
ピストンがシリンダーの壁を擦る速度が速く為り過ぎてしまうのが原因と考えられます。
排気量を増やせばVバンクの迎角をより少なく出来ますが、敢えて
52°程度に収めれば
ボアを増やせる様になると考えられます。
HONDA VTR 1000 F ( 1997年式 90°Vツイン ピポットレス・スイングアーム装備 )
排気量 996cc ボアXストローク 98 X 66 mm
HONDA ブロス プロダクト 1 ( 1988年式 52°狭角Vツイン 位相クランク )
排気量 647cc ボアXストローク 79 X 66 mm
HONDA NRX ( 1986年式 45°V狭角ツイン 位相クランク )
排気量 779cc ボアXストローク 83 X 72 mm
VTR1000Fと
ブロスの
ストロークは奇しくも
同じですが、
ボア(シリンダー直径)は1
.2倍、VTR1000Fの方が大きく、
相対的にショート・ストロークになっています。
反対に
NXRと
ブロスの比較ではボアがあまり変らないのに、
ストロークは1,1倍、
NXRの方が
長くなって
おり、
ロング・ストロークであると言えます。
NXRはパリ・ダカの
過酷な環境を考慮して
耕運機の如きエンジンを目指しました。
極普通の環境と良質な燃料、これが確保される前提はありますが、
大径ボアX超ショート・ストロークの狭角Vツイン・・・HONDAさん、是非造ってください。
<追記> 位相クランクの狭角V4も理論的には考えられますが、直4に対してメリットがありません。
クランクウエブの数が直4と
変らないので
エンジン幅はあまり直4と変らず、
エンジン長も決して短く設定出来る訳では無いからです。
(
この項、了 )
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