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697.ヴィンセントの後を追うものたち (2) 果てしなき進化

 まずこの写真を見て下さい。
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このマシンは2008年のデイトナ・スピードウエイのプロツインレースで優勝したマシンです。

内容は空冷2バルブOHVのVツインでしたが排気量は1571ccもありました。

まさに排気量に勝るものなしを実証したこのマシンのベースは
なんと1950年代に活躍したヴィンセントのVツインでした。

その名は アーヴィング・ヴィンセント1600

製作したのはオーストラリア、メルボルンのKHE社の経営者ケン&バリー・ホーナー兄弟です。

彼等は元々、オーストラリアのヴィンテージ・スーパーバイククラス
1300ccのアーヴィング・ヴィンセントで出場し、無敵を誇っていました。
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しかし、彼等が目指すBOTTには少々力不足と考えられたので1600ccに排気量を上げることにしました。

その結果、162psと言う大馬力を6500rpmと言う低い回転数で得る事が出来ました。

しかもこのエンジンは排気量を増大していたばかりか、燃料噴射機構すら組み込まれていたのです。
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もはやそこには古き良きヴィンセント ラパイドC の姿は無いように見えます。

 ヴィンセント ラパイドC ブラックシャドウ (1949年式 1000cc OHV2バルブVツイン)
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しかし、細部に目をやってみるとそこには紛れも無いヴィンセントの面影が窺がえます。

 エンジン右側
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 エンジン左側
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Vバンクの挟み角が65°から50°に狭められている以外、殆ど同じです。

さらにカウルとタンクを省いてみると正にヴィンセントの姿が現れます。
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ミニマムなフレーム(オイル・タンク兼用)の姿は元のままです。
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 ヴィンセントカンチ・レバー風のリア・サスを持っていました。
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アーヴィング・ヴィンセントではカンチ・レバー式オーリンズ・サスペンションを装備して元祖の姿を守ると
共に必要充分な性能を確保しています。

現代風のカウルやタンクの下には脈々と流れるヴィンセントの血があったのです。

 <追記>
アーヴィング・ヴィンセント純レーサーですが、他のコンストラクターには現代版ヴィンセント
ロード・バイクを出している人もいます。
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ヴィンセントに魅せられた人々は永遠にいるかの様です。
                                                         (この項了)
(クラシック・バイク・ブログ 「クラシックで行こう!」 はこちらから )
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by SS992 | 2011-08-09 21:00 | 憧れだった美女達