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「峰風」とともに

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214.スペック至上主義を考える。(kawasaki )

大手3社がレプリカ競争しのぎを削っていた時もう一つの大手kawasakiは何をしていたのでしょうか。
他社が「レーサーレプリカを販売する。」と言う情報は掴んでいたのでしょう。
KR250を84年には発売しています。
性能的、技術的には当事のGPレーサーKR500と同様な内容を持ち、正にレプリカでしたがそのデザインはRGΓの徹底したレプリカ度には程遠いものでした。

KR250 (1984) ロータリーディスクバルブのタンデムツインというユニークな構成です。
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マイナーチェンジで更にKR500に近づけますがまだまだ解ってなかった様です。
KR250S (1985) マイナーシェンジで時間を稼いでいます。
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やっとkkawasakiもレーサーレプリカの本質の気付き、こんどこそレーサーレプリカと言えるものを出して来ました。
KR-1(1988)フルモデルチェンジしました。パラツインクランクケースリードバルブの新エンジンです。
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たぶんKR250とは比べものにならない位売れたのでしょう。
1989 再びフルモデルチェンジを行ない、そしてSP仕様に当たるR仕様も併売されました。
KR-1S (1989) エンジン以外全部新仕様です。
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KR-1R (1989) SPレースに対応したものです。
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この後kawasakiはレーサーレプリカをだしていません。
だってレプリカたるには元がなければなりませんがkawasakiは1983年にWGPを
撤退してしまったのでKR500ももはや進化しなくなってしまったのです。
KR-1はもはや幽霊の様な元の無いレプリカと化してしまいました。
それゆえKR-1シリーズはこれで終るのです。

この様にレーサーレプリカと名がついたら半端な性能、装備ではユーザーは納得しません。
公道を走るのに充分な性能があればそれで良いのにレーサーに近い性能、殆ど同じ装備を求めます。
昔はレーシングキットと言うものが発売されていて市販車ベースでレースに出ようとする者だけがそれを購入して愛車に組み込みレースをしていました。

しかし時代はバブルがちょうど始まった時です。レースキットなど初めから組み付けてしまえとばかりにレーサーレプリカはもてはやされました。
毎年とまでは行きませんが繰り返されるモデルチェンジ競争。
もはや正気の沙汰ではありませんでした。

1980年~90年がバブルの全盛期ですがレーサーレプリカの歴史もほぼこれに重なります。
バブルはレーサーレプリカを生み、レーサーレプリカはバブルと共に去りました。

本当に価値のあるものがその価値の十分の一も理解できない者のために大量生産される・・・。
性能の高い物は反面危険性も持っています。だからその危険性を減らす為に性能を抑えるなんて馬鹿な事を当事はやっていました。(台形出力曲線など)

確かに性能の高い物をもつのは嬉しい(所有欲)
その性能を発揮させるのはもっとうれしい。(高度な所有欲)
性能の高いものは高価。(成金趣味)

こうした「」によって我々はバイクに乗り、快感を得ます。

ですが行過ぎると高性能なので高価、しかし、その性能では危険なので更にお金をかけて性能を抑える・・・。「どうだいおれのバイクは・・・。公道仕様だから170hpしかでないけどフルパワーなら250hpだぜ!」なんて愚かな自慢をしている人がいかに多いことか・・・。
私の「峰風」位がちょうどいい・・・といったら手前味噌でしょうか?
by SS992 | 2007-05-22 08:16 | 憧れだった美女達