「峰風」とともに

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カテゴリ:レース( 50 )

659.帰って来たライム・グリ-ン (1) カワサキのモトGP参戦

 2002年世界GPモトGPに変り、2stの500cクラスは4stの990ccクラスに変りました。

この大幅なレギュレーション変更ドカティカワサキなど世界GPに
出場していなかったメーカーの参加を促し、レース界は一時に活気を帯びました。

モトGPはスーパー・バイクや耐久レースと異なり、その出場車両は既存の販売車両のチューン・アップ版が
禁止
であり、専用車両の開発が不可欠でした。

HONDAYAMAHASUZUKI世界GPを戦ってきた膨大なノウハウがあり、ドカティ
スーパー・バイクの常勝メーカーとしてやはり膨大なノウハウを貯えていました

ひとりカワサキだけが世界GPでのノウハウが少なく、スーパー・バイクのノウハウも多くないと言う不利な
状況
を強いられました。

しかし、出場すると決めた以上、新しいマシンを開発せざるをえません。

そこで、カワサキは2000年のスーパー・バイクで好成績を残したZX-7RRをベースにモトGP用のマシンを
開発する事にしました。

 ZX-77RR (2000年式)
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モトGPは2002年からの開始でしたが、約20年ぶりとなる世界最高峰クラスへのフル参戦にカワサキは
2002年開発に専念する事とし、本格的参戦は2003年からになりました。

 ZX-RR (2002年式)
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カワサキは量産車やスーパー・バイクでの経験を活かせる直4エンジンとアルミ・ツイン・スパーフレームと言う組み合わせを選びました。                                     (この項続く
                                                                  (クラシック・バイク・ブログ 「クラシックで行こう!」 はこちらから )
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by SS992 | 2011-03-01 21:00 | レース

657.レーサー・レプリカ? レプリカ・レーサー? (2) カワサキ X-09

 カワサキが開発したレーサー、X-09はカウルを纏った状態では平凡なマシンに見えます。

 kawasaki X-09 (1993年式 250cc 2st V型 2気筒)
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しかし、カウルを剥ぎ取ってみるとその特異な正体が現れます。
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特徴的なのは排気管の取り回しで特に左側面の排気管は大きくうねっています。

これはX-09V型2気筒のエンジン・レイアウトを持ちながら、
通常のV型2気筒ではなく、Vバンクが下に向かって開いていると言う前代見聞の構造を持っている為です。
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そしてツイン・スパー・フレームの内側にはほとんど何も無いエア・ボックスになっています。

何故、この様な特異な構造を持っているのでしょうか?

これはエア・ファンネルキャブレターリード・バルブクランク・ケースと言う吸気経路
極力、直線的に配置するのが目的でした。
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更にエア・ファンネルの吸気口の周りの空気を減速し、安定して供給する大容量のエア・ボックス
設置する事が出来ました。
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ツイン・スパー・フレームはかなり高剛性な物が使われていた様です。
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水冷エンジン用ラジエターV字型に窪んでいます。
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ラジエターを極力、前方に配置した場合、タイヤと干渉する寸前までしか前に配置出来ないのですが、
V字型にする事でタイヤとの干渉を避けてより前方に配置する事が出来ました。

これもツイン・スパー・フレーム内が空だから出来た事です。

このエア・ボックスにはフレームを通して新気が導入されます。

そして、カウルにも新気導入用エア・ダクトが口を開けています。
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カウル下方には乾式クラッチ冷却用空気導入ダクトがあります。

これはレーサーでもあまり聞いた事の無い装備ですが、スタート時長い半クラッチ
使い続けなければならないレーサーには有効な装備と言えるでしょう。

これだけ新装備や新機構を盛り込んだX-09ですが、残念ながらレーサー・レプリカの
発売はおろか、レーサーとしても1993年を最後に開発は打ち切られました

時はすでにレーサー・レプリカの時代を過ぎ、ネイキッド・モデルの時代に移って行ったのです。

そして、皮肉にもネイキッド・モデルの先鞭を付けたのはカワサキでした。

 ゼファー 400 (1989年式)
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親会社の川崎重工内部では業績不振の二輪部門からの撤退も囁かれていましたが、ゼファーのヒット
それを打ち破る程のものでした。

その後、カワサキは4stのメーカーとして躍進していったのです。

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by SS992 | 2011-02-21 21:00 | レース

651.作りたかったから作っちゃいました。 HONDA RC211V

 現在、世界最高峰のオートバイ・レースは旧世界GPの500ccクラスに相当する、
2007年からのMotoGPで、上限排気量は800ccですが、

 RC212V (2010年式 V型4気筒 800cc)
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MotoGPがはじまった2001~2006年までは990ccが上限で
5気筒のマシンが許されていました。

各社は無難に990ccの直4のマシンを開発してきましたが、HONDAとドカティは違っていました。

ドカティは、また別の機会に語るので今はHONDAのマシン、RC211Vについて語ってみたいと思います。

 RC211V (2005年式 V型5気筒 990cc)
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HONDAに限らず、どのメーカーもバイクの型番には意味を持たせてあります。

RC は レーサー

211 は 21世紀に入って一番目の型

V は V型エンジンを使用し、必ず勝つ事を願ってVICTORY(勝利)の頭文字をつけていました。

そしてもう一つの意味は5気筒である事の表記でした。
(前3気筒、後2気筒、Vバンク角75.5°
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確かにレギュレーション上も、5気筒は許されていました

しかし、だからと言って本当に必要だったのか、非常に疑問です。
性能も強烈最高出力240Ps以上、車重145kg、最高速度330km/h以上でした。)

過去のレーサーRC149(125cc 並列5気筒)の場合とは違うのです。
(当時は高回転による高出力の発揮が大命題でした。)

 RC149 (1966年 空冷並列5気筒 125cc)
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これはHONDAがHONDAである事の証だった様に思われます。

「作りたいから作る!他と同じではいけない!」と本田宗一郎の魂が叫び続けていたのです

2002年、RC211Vを試乗したかつての二輪界のプリンス、宮城 光氏
もう1回、レースをさせてくれへんか!」と叫んだと伝えられています。

高性能のレーサーはどうしても走りの性能のために犠牲にしている部分があります。

しかし、RC211Vは犠牲にしている性能がない! 

速いのに乗りやすい、乗り心地さえ良い、全部良い と彼は言ったそうです。

しかし、残念ながら排気量制限が800ccに成るとRC212VはV4に戻ってしまいました

それから、HONDAの製品に面白いものは姿を消して行きました。 ガンバレ!HONDA!

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by SS992 | 2011-02-01 21:00 | レース

650.油冷のスズキ GSX-R750 (2) フレーム

 そしてGSX-Rのもう一つの特徴、ダブル・クレードル・フレームは何のためだったのでしょう。

当時、すでに各社いやスズキ自身でさえツイン・スパーフレームを採用しており、そのメリットは充分、
認識していたはずなのですが、GSX-Rはかなり遅れてツイン・スパー・フレームを採用しています。
(GSX-R750が採用したのは水冷エンジンを積む様になってからの事です。)

 Kawasaki ZZR250 日の字断面ツイン・スパー・フレーム
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①は角型断面鋼管によるダブル・クレードル
②はアルミ合金製デルタ・ボックスダウン・チューブを持つダブル・クレードル
③はダウン・チューブが廃止され、バック・ボーン・タイプとなるがエンジンを剛性メンバーの1部として
 使う事で剛性は②の2倍以上、フレーム車体重量は②の60%に減じています。

この様な多大なメリットを捨ててまでスズキはダブル・クレードルに固守したのです。

 GSX-R750 (1986年 AMAスーパーバイク仕様)
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この理由はGSX-R750(1986年式)のストリップ写真を縦に見れば判ります
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フレームからエンジンがはみ出しています。

そのかわり、フレームはほぼ直線に設定出来ていました。

他社のバイクの場合、ツイン・スパー・フレームはエンジンを包み込む必要上、大きく湾曲していました。

 HONDA CBR250RR (1990年式)
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小排気量の場合はこれでも良かったのですが、大排気量車の場合、剛性が不足する心配がありました。

だからGSX-R750はフレームを極力、直線にしたかったのだと思われます。

また、油冷エンジン側面空冷用のフィンの関係でが水冷より広くなってしまっていた事も想像出来ます。
オイルの方がよりも粘度が高く、流れにくいので流路も水冷より太くする必要がありました。)

 油冷エンジンのオイル流路概念図
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結局、幅の広い油冷エンジンをバイクに積むためのダブル・クレードル・フレームだったと言えるでしょう。

この後、スズキGSX-R750水冷化された後でも上部に五角形断面のパイプを用いた
ダブル・クレードル・フレームを使い続けました。
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by SS992 | 2011-01-28 21:00 | レース

649.油冷のスズキ GSX-R750 油冷エンジン

 今回の主人公はスズキ、2stマシンの老舗です。

 RS67 (1967年 2st 125cc 水冷スクエア4気筒)
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 ウルフT90  (1960年代? 2st 90cc 空冷並列2気筒)
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 GT750 (1971年 2st 750cc 水冷並列3気筒)
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 RGV500-Γ (1980年代 500cc 水冷V型4気筒)
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しかし、古い2stマシンについてはクラシックで行こう!で扱うつもりなので
スズキのもう一つの顔、耐久レースで活躍した油冷エンジンを積み、ダブル・クレードルフレーム
頑なに守ったGSX-Rについて述べてみたいと思います。

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スズキは何故、水冷エンジンではなく、油冷を採用したのか、その答えは比較的簡単です。

大排気量車を高速で走らせると空冷の場合、冷却が不十分になって熱ダレを起こし、
出力が落ちてしまうのです。

だったら水冷にすれば良いと考えられますが、スズキの技術陣は別の事を考えていました。

高速回転をするエンジンの部位で一番暑くなり、一番冷却しにくい所はピストンです。

そこでクランク・シャフト側からピストンの内側に向かってオイルのジェット噴流を吹き付ける油冷
アイディアが生まれました。(詳しくは記事No.533

この場合、オイルをただ流すのではなく、ジェット噴流にして吹きつける所に意味があります。

水は比熱が大きく粘度が低いのでただ流すだけでも効果がありますが、オイルの場合、
比熱が小さく、粘度が高い
ので冷却すべき部分の表面とオイルの間に熱の境界層が出来、冷却効果が上がらなくなってしまうのです。

そこで、オイルジェット噴流にして拭きつける事でその境界層を壊し、冷却効果を上げるのです。
(当然、ピストンの裏は水冷での冷却は不可能で油冷にして初めて出来る事です。)
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 このエンジンの吹け上がりは実に素晴らしいものでした。

また、個人的な話に成りますが、私が大型限定解除をした時の試験車両はGSX750Fでした。
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このバイクのエンジンの吹け上がりは実に気持ちの良い物でした。
GSX750FのエンジンはGSXーR750の物を使って減速比を大きくした物でした。)
鴻巣の試験場の外周を走った時の気持ち良さは格別でVFR750Fとどちらにするか迷った覚えがあります。

 VFR750F (1990年式 乗って練習しているのは若かりし頃の私です。)
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もし、ちょっと選択が違っていたら油冷のバイクに乗っていたかもしれません。

 GSX-R750 (1992年式)
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また、SATCS(Suzuki Advanced Three way Cooling Systemu)の存在も魅力的でした。
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これは一番暑くなるシリンダー・ヘッドを水冷、ピストンは油冷、シリンダー側面は空冷で冷やす
各冷却方式の良い所取りをした様なシステムでしたが、残念ながら
大型バイクには装着されませんでした。
(採用したのはGSX-R400 1980年代?のみでした。)

水冷単体冷却方法を研究、煮詰めていくのが最良と判断された様です。

でも私は油冷方式は絶対、未来に残すべき技術だと思います。

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by SS992 | 2011-01-24 21:00 | レース

648. CR110の復活!? ドリーム50

 私のもう一つのブログ、クラシックで行こう!No.25ミッキー・マウスと呼ばれたレーサー HONDA CR110
取り上げたHONDA CR110には公道走行可能なレーサー・レプリカCR110誕生の35年後の1997年
造られました。

その名はドリーム50
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原付の区分ながら、空冷4st DOHC 4バルブ 最大出力5.6ps/10500rpm,
最大トルク0.42kgm/8500rpm 乾燥重量81kg
 を誇りました。

CR110の緒元 空冷4st DOHC 4バルブ 最大出力 8.5ps/13,500rpm 
最大トルク 0.46kg-m/11,500rpm 乾燥重量 61kg


 CR110 (後期型)
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ドリーム50の性能は殆どCR110と変らないものでした。

 しかもスタイリングまで一緒でした。

過去、販売された公道走行可能なCR110はスクランブラー風のデザインでこれにY部品と称するレース専用部品を付けて初めてレーサーCR110が完成するのとは大違いでした。

 CR110 (公道走行型)
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ドリーム50の発売にレース・ファンは狂喜したと言われますが、区分は悲しき原付
あまり売れなかった様です。

 しかし、熱狂的なファンにはカウルまで作って装着した人もいました。

 CR110 カウル装着状態 (この姿を再現したかったファンがいたのです。)
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また、雑誌の企画マン島のマウンテン・コースにドリーム50を持ち込み、走らせる試みがなされましたが、
この時、周囲のギャラリー?からは「お前はこのバイクのレストアに何年かけたか?」と言う質問や、
はては「金は幾らでも良いから売って欲しい!」と申し出る人がいたとか?

HONDAの企画力にまだまだ力があった頃の話です。

HONDAさん、ガンバッテこの頃の様な人の心を鷲つかみする製品を作ってください

 ドリーム50のある風景  実にオシャレです。
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by SS992 | 2011-01-20 21:00 | レース

624. DUCATI GPレーサー 新 旧

 2stで戦われていた世界GPレース5004stだけで戦うモトGP1レースに変ったのを受けて
今まで出場していなかったDUCATIも出場する様になりました。 

 DUCATI デスモセディッチ (2010年)
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しかし、世界GPでも2stと4stが混走していた時代にはDUCATIも出場していました。

しかもデスモドローミックのパラレル・ツイン125cc(?)でした。

 DUCATI 125ccGPマシン (1960年) デスモドローミック パラレル・ツイン
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残念ながら結果は残せませんでしたが、後に続く次世代マシンに有益なデータを残した物と思われます。

 DUCATI SS750 イモラ・レーサー (1972年)
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このマシンについては今更語る事はないでしょう。

このマシンの成功が今までのDUCATIの栄光を支えて来たのです。

しかし、ほぼ同時期にほとんど類似した設計でWGPマシンが製作され、WGPに出場していた事は、
あまり知られていません。

 DUCATI 500cc WGPレーサー (1971年)
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フレームは操縦安定性を改良する為にコーリー・シーリー社の物を採用すると
共に徹底した軽量化が行われていました。
(シーリー・フレーム、現在のツイン・スパーフレームの原型と言われるフレームです。)
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このマシンの特徴はLツインを搭載しているにも係わらず、デスモドローミックは装備していない事です。

デスモドローミックの有効性は市販車にも採用され、すでに証明されていたのですが、
何故か、このGPマシンには装備されなかったのです。
通常のバルブ・スプリングを採用していました。)

結局、残念ながら、このマシンも結果は残せませんでした。

後期型はデスモドローミックを装備し、4バルブに進化しましたが、やはり、成績は芳しいものでは
ありませんでした。

時代は2st全盛期へと移っていったのです。

もし、このマシンが最初から4バルブでデスモドローミックを採用していたなら結果は少し変ったかもしれません。

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by SS992 | 2010-10-20 21:00 | レース

616.スーパーバイクレースに見るエンジン特性と車体設計(2)

 スーパーバイクレースで活躍したレーサーはその殆どがV2(L2)でV4は以外と活躍していません。

 HONDA RVF750(RC45) 1997年優勝 V4エンジン使用。
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しかし、今年は12年ぶりにV4が活躍しています。

それはアプリリア RSV4です。(第9戦チェコまでの18戦中、9勝しています。 勝率5割!)
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V2(L2)に勝るとも劣らないトラクションを発生するV4エンジンは上限一杯の999.6cc
しかも、90°V型エンジンの長所である一次振動の消去を捨てて、65°狭角V4エンジンを装備しています。
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これはエンジン長を出来るだけ短くし、変りにスイング・アーム長を長くする目的があると思われます。

スイング・アームを長くするとどんなメリットがあるかと言えば、コーナリング時、
スイングアームの沈み込み量を相対的に減らす事が出来、コーナーでアクセルを開けた時
タイヤが路面をグリップする力が抜けず、より早くコーナーを回る事が出来るためと考えられます。

これを専門家はアンチ・スクワット効果が有ると言う様です。

DUCATIの場合、90°L2ですからエンジン長は長く、結果的にスイング・アームの長さにも限界があり、
排気量が1198ccで馬力があっても、コーナリング速度に限界が有ると考えられます。

そのせいか、どうか、判りませんが、DUCATIは2011年、スーパー・バイクから撤退するとの事、
王者の名に掛けての反撃を楽しみにしていたのですが、残念です。
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by SS992 | 2010-09-18 21:35 | レース

615.スーパーバイクレースに見るエンジン特性と車体設計(1)

 1988年に初まったスーパー・バイク世界選手権は初めの2年こそHONDAのRC30が征しましたが、
 HONDA VFR750RR (RC30)
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その後2009年までの20年間、DUCATIが13回の年間優勝を飾っています。

当初のレギュレーションでは年間150台以上販売された4サイクルの一般車両で4気筒は750ccまで、
2気筒は1000ccまでとし、改造範囲も厳しく制限されていました。

 DUCATI 888 SBレーサー
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DUCATIは2気筒だったので1000ccまでの排気量が許されていましたが、敢えて888ccの排気量
レースにのぞみ、成果を上げました。

他社のレーサーと大きく違うのはL型2気筒でピポット・レス・スイング・アームを備える事でした。

L型2気筒は不等感覚爆発によるトラクションの有効利用が出来る反面、エンジン長が長くなり、
そのままではホイールベースも長くなって旋回性が悪くなる恐れがありました。

しかし、DUCATIはスイングアームをエンジンの後端に直に取り付ける事でホイール・ベースを縮める事に
成功し、4気筒の排気量制限とさほど変らない888ccでも結果を出しました。

その後、レギュレーションの変更に合わせて排気量は拡大して行きましたが、
基本的な特徴は維持され続けました。

(現在はピポット・レス・スイング・アームフレームとエンジンを貫通する様に取り付けられています。)

 DUCATI 1198RR(2010年)
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しかし、2010年、そんなDUCATIの牙城を脅かす存在が現れました。

それは同じイタリアのオートバイ・メーカー、アプリリアです。 (つづく)
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by SS992 | 2010-09-14 22:13 | レース

614.ここにもあったトリコローレ! アプリリア・スーパーバイクレーサー

 スーパーバイク世界選手権と言うと、DUCATIのレーサーの歴史と言っても良い位、
DUCATIの強さが際立っていました。
 
DUCATI 851 スーパーバイク・レーサー・プロトタイプ
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しかし、近年になって他のメーカーも力を付けて来てDUCATIの一人勝ちでは無くなってきました。

その中のメーカーにアプリリアがあります。
ベースになったのはRSV4 FACTORY 65°の狭角V4のマシンです。
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実際にレースに出たマシーンは、やはりイタリアのマシン、トリコローレに塗られていました。
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これはメイン・スポンサーがアリタリア航空だったせいですが、

アリタリア航空 B777-200
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挿し色を入れて独自性を出しています。
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実力の方も中々の様で今年のスーパーバイク選手権チャンピオンはアプリリアが取るかもしれません。
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by SS992 | 2010-09-10 21:59 | レース