「峰風」とともに

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カテゴリ:レース( 50 )

582.世界GP と MotoGP (4)  2st の優位性 

 4st は 吸気、圧縮、爆発、排気 の 4工程を経て回転するので4ストロークと言われます。
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但し、この4工程をこなすにはエンジンが2回転回る必要があるのですが、駆動力を生む爆発は1回しか
しません。

2st は 圧縮・爆発 と 吸気・掃気 の 2工程を経て回転するので2ストロークと言われます。
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そして、この2工程を1回の回転でこなします。 つまり、駆動力を生む爆発は1回転に1回するのです。
従って理論的には、2st は 4st の半分の回転数で同じ出力を得る事が出来るのです。

但し、 4st は1つ1つの工程が厳密に区切られており、燃焼の効率が高いのですが、
2st は 工程の区切りが厳密では無く排気は新しく吸入した混合気で押し出す仕組みになっているため、
排気に混合気が混じる事になり、燃焼の効率は 4st より劣ります。
さらに潤滑オイルも燃料と一緒に供給されるので、排気も汚いのです。

とは言うものの、排気量が同じだったら倍の出力が得られる2stエンジンはオン・オフを問わず、
レーサーに用い続けられたました。

 YAMAHA YZR500
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 HONDA NSR500
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by SS992 | 2010-05-03 21:33 | レース

580. 世界GP と MotoGP (2) 世界GPの終焉

 2002年、世界GPは終わりを告げました。
参加していたバイクが全部 2st マシンだったため、地球環境に配慮した4st マシンに切り替える大英断
下されたのです。 (MotoGPへの移行)
 
しかし、4stのバイクでは2stと同等の馬力が出せず、
レギュレーションを大幅に変える必要が出てきました。
 また、参加しているメーカーが固定化してしまい、更にマシンも似たりよったりで面白さに欠けて来ていたのも理由の一つでした。

 HONDA NSR500 2002年
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HONDA NSR500 YAMAHA YZR500 はまるで双子の様に似ています。
特にカウルを外したストリップ状態の姿はそっくりです。

 YAMAHA YZR500 OW-L9 2002年
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 SUZUKI RGV500-Γ
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どのメーカーのマシンも水冷 2st V型 4気筒 不等間隔爆発エンジンを積んでいました。
これでは、まるで1車種によるワンメイク・レースの様でした。
しかし、逆を言えば各社の技術が熟成し、均等化したとも言え、2stマシンで世界GPを戦う意味が
無くなった
とも言えるのです。

次回からはこれほどまでにレース界に影響を与えたエンジン形式 4st と 2st の違いについて
述べたいと思います。
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by SS992 | 2010-04-27 21:45 | レース

579. 世界GP と Moto GP (1)   Moto GPマシン

 今、世界最高峰のレース Moto GP は 4st のレーサーのみが参加しています。

HONDA RC212V 2010年 V4エンジン搭載
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YAMAHA YZRM1 2010年 直4エンジン搭載
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SUZUKI GSV-R 2010年  V4エンジン搭載
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DUCATI DS(デスモセディッチ) GP10 2010年 L4エンジン搭載
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aprilia RS CUBE  2004年 直3エンジン搭載 2005年以降撤退
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参加しているメーカーもkawasakiが2009年までは出場していました。

Kawasaki ZXーRR 2007年 直4エンジン搭載 2009年以降撤退
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今のMotoGPは800ccが上限の排気量ですが2002年の開始年から2006年までは
990cc
が上限でした。

 これは世界GPは500ccが上限でしたが出場していたマシンが全部 2stだった為、
4st 化するにあたり、500ccのままでは出力が不足すると考えられたからです。
ホンダのRC211VなどV型5気筒と言う前代見聞のエンジンを積んでいました。
その結果、各社とも200馬力を超える出力を絞りだしました。
990ccでも出力が大きすぎてしまったのです。

早速、800ccまで排気量は減らされましたが 200馬力を超える出力は少し減っただけでした。

世界GPの時代は参加しているマシンのほとんどが2stのマシンでした。
次回は世界GPの終焉を 取り上げます。
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by SS992 | 2010-04-24 15:01 | レース

539. 単気筒マシンの可能性

 SRの記事を書くために色々調べていたら面白い事が判りました。
日本のビッグ・シングルの草分け、シマ498ロード・ボンバーを製作した 島 英彦 氏は
鈴鹿で行われた、1963年の第1回日本GPでの単気筒車の活躍にインスピレーションを得たと聞きます。
この年の250ccタイトルはHONDAに乗るジム・レッドマンとMoto・Moriniに乗るタルキオ・プロビーニ
間で争われていました。
HONDA RC164 250cc 4気筒 45.4ps/14,000rpm
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Moto morini 250cc 単気筒 37ps/11,000rpm
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 最終戦日本GPまでもつれ込んだ勝負の結果はHONDAの勝利に終わりましたが、
この時、島氏は単気筒バイクの小ささと軽さを生かし、スリムで軽量な車体と組み合わせれば、
多気筒エンジン車に劣らない性能
を実現出来ると考えたのです。
小さくスリムな車体は空気抵抗が少なく、加速性能、ブレーキング性能も向上を期待出来、
コーナリングにも有利、バンク角も深く取れる等、単気筒の可能性を感じ取ったのです。
「356,ロード・ボンバーの残したもの」で採り上げたシマ498ロード・ボンバー1978年の鈴鹿8耐
並居るリッター・マルチに伍して総合8位の好成績を残しています。
氏の考えの妥当性はこの時、証明されました。
 また、燃費も桁違いに良く、8時間のレースの間、3回の給油で済んだそうです。
ロード・ボンバーは島氏の理想のバイクの実現でした。

シマ 498 ロード・ボンバー
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それはパワーよりライダーの扱い易さを最優先にし、乗って楽しいバイクとする事だったのです。
その後、島氏はYAMAHA SRX600(400)の開発に関ったと聞きます。

YAMAHA SRX 600 (Ⅰ型)
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最近のリッター・マルチは操縦性も当時より桁違いに良くなり、単気筒の出番はもう無い様に思われます。
しかし、乗っている事が苦痛になる位、暑くなる様ではライダーが阻害されているのではないでしょうか。
もう一度、ロード・ボンバーやSRXの様なスポーティ・シングルが必要だと私は思います。
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by SS992 | 2009-11-23 13:05 | レース

494. 憬れのMVアグスタレーサー

 市販車の平凡さに比べ、レーサーの非凡さは際立っていました。
特にGP500を戦うジャコモ・アゴスチーニの駆る3気筒マシンはその軽量さとハンドリング
当時、台頭してきた日本車勢(特にホンダ)に度々辛酸を舐めさせました。

       ジャコモ・アゴスチーニ と WGP500cc3気筒マシン
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4気筒マシンも存在しましたがアゴスチーニは3気筒を好みました。
MV No.2ライダー フィル・リードの駆る WGP500cc4気筒マシン
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WGP350ccクラスのマシンも初期は4気筒でしたが、ホンダの4気筒が台頭してくると
20kg近く軽量な3気筒を開発し、ハンドリングでホンダの4気筒に対向しました。

WGP350cc4気筒マシン
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WGP350cc3気筒マシン
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そして、MVは開発の方向性が確かめられると、この350ccをボアアップした377ccで500ccクラスにも
出場
し、アゴスチーニはコースによって3気筒と4気筒を使い分けてチャンピオンを獲得しています。
MVアグスタは1976年、日本の各社2stマシンの性能向上によりWGPより撤退しましたが、そのワークスマシンはライダー達の夢として消える事はありませんでした。
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by SS992 | 2009-08-04 06:57 | レース

463.無冠の帝王MuZ RS3 スーパー・モノ

 これはドイツ(旧東独)、MuZ のレーサーです。
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1992年にデビューしたドカッティのスーパー・モノは圧倒的強さを誇っていましたが
その後、ロータックスがその座を奪い、1994年には MuZ レンスコーピオンから
ワークス・レーサーがデビューしました。
1996年にはRS3を投入し、もう少しでタイトルを獲得出来そうな
位置まで順位を上げました。
ユーロ・スーパー・モノ選手権で8戦中5勝しつつもチャンピオンを取れなかった
無冠の帝王となったのです。
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エンジンはヤマハのXTZ660を積み、フレームはストリート・バイクのスコーピオンと同じフォーマットのツイン・チューブです。
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直径50mmφ、肉厚1.5mmのスチールパイプ(クローム・モリブデンではない!)が
用いられています。
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ステアリング・ヘッドにはオイルタンクが設けられ、
 スイングアーム・ピッポッドはベース車と同じフレーム一体のスチールプレートに装着されています。

一見、貧弱な構成ですがパワーと釣り合ったパケージングやエンジンレスポンスと一体となった自由自在のハンドリング、空力特性の良いボディ、と非力なシングル・レーサーが勝つために必要な要素を全て満たしていました。
8戦中5勝の成績でも優勝出来なかったのはセット・アップ
上手くいかなかった為と言われています。
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特にサスペンションのセッティングが出し切れなかったのが不調の原因の様です。
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by SS992 | 2009-05-20 11:17 | レース

436, NCR ミローナ

 このバイクもDUCATI空冷1100ccエンジンをNCR独自のトリレス・フレームに
組み込んだ珠玉の1台です。
ハイパワーな水冷マシンに立ち向かえる数少ない空冷レーサーです。
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ミローナは S  (ベーシック仕様) 車重 145kg
        R (ミディアム仕様) 車重 135kg
      ONESHOT(コンプリート仕様) 125kg
と、三種類のレーサーが市販されています。
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NCRがターゲットとするのは芸術の域まで作りこまれたハンド・メイドの世界を愛し、
作り手の情熱をディティールから感じ取る事を愉しみとし、そうしたマシンでレースを
エンジョイするデスモ及びドカティ・ファンです。
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既に数々のレースで戦績を残しているミローナは究極の空冷と呼ぶべき存在となっています。

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① キャスター角は23,5~24,5°の可変式。
  フェール・タンクはカーボン製でその他、カウル等。あちこちにカーボン・パーツが
  さりげなく使われていますが、超軽量化が一番大きく効く範囲です。
③ APTC(スリッパー・クラッチ)を組み込んでいます。
④ エンジンは 116hpの大馬力を発生しますが、エンジン重量は
   50kg程しかないのです。
  フレームはクロモリ鋼管製のチューブラー・トリレス式でスイング・アームもNCRの
  オリジナル製作です。
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by SS992 | 2009-02-05 06:40 | レース

435, ディトナ ニューブルー

 1977年米国のディトナで開かれたレース、サウンドオブサンダーの750ccクラスで
優勝
した、クック・ニールソンのDUCATI750SSをモチーフにしたレーサーです。
2007年、NCRはスポーツ・クラシックS1000Sをベースにしたレーサーで優勝を
勝ち取りました。・・・①

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パフォーマンス向上と信頼性にも勝れるバイクです。
そのパワーは馬力で116hp/8450rpm   
最大トルク 10,6kgm/6700rpm
を発揮します。・・・②

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ブルーに塗られたトリレス・フレーム、 ホイール・ベースは1400mmと一般的ですが
全てのボルト、ナットはポジポリーニ製のチタン製で軽量化と強度向上を目指しています。

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前輪ホイールはBSTのカーボン・ホイール、ブレーキ・キャリパーはブレンボのレーシングモノブロック、ブレーキ・ローターはウエーブディスク、
フロント・フォークはオーリンズの43Φ
アップサイドダウンにはNCR製削りだしボトム・ブラケットとブラケットの組み合わせ・・・と
豪華なパーツのオンパレードです。④
④                     ⑤                     ⑥
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ステップ回りは完全にオーソドックス、シフトペダルはステップと同軸にすらなっていません。⑤
リアショックはオーリンズ製、マウントボルト類もチタン製のスペシャルを使っています。・・・⑥
それにしても③の写真、DUCATIはエンジンを降ろすとバイクの形を
保てなくなる証明写真の様です。  
フロント・フォークとメイン・パイプフレームは繋がっていますが、
エンジン・ブロック後端に付くスイング・アームは外さざるを得ないのです。
ベースはスポルト1000sですが「軽さは全てに勝る!」と言う方針の元、
ストリート仕様から38kg!の減量に成功し、「優勝」と言う結果を残しました。
車体は38kg減量に成功し、パワーは20hpも上乗せされたこのNCRニュー・ブルーの
速さが頷けます。
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by SS992 | 2009-02-04 19:05 | レース

417.トロイ=ベイリスと「ニトロ」芳賀

DUCATIはなんと運の良い会社でしょう。
2008年SBK最終戦マニクールでベイリスと激闘を演じて2位に輝いたYAMAHAの芳賀紀行選手が2009年シーズンは引退するベイリスの代わりにゼロックス・ドウカティで走る事が
決まりました。   誰よりも速く走った男が推薦する男が遅い筈はありません。
そしてDUCATIとの関係も少しづつではありましたがあったのです。
1994年に916を駆って全日本選手権を獲得。  2004年にはサテライト・チーム
レゲネイド・ドウカティから999でSBKに参戦、ランキング3位を勝ち取っています。
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芳賀の熱い走りと爆発的な「速さ」から「ニトロ」のニックネームを持ち、
11年間のSBKフル参戦で通産3回の優勝経験を誇っていました。
跨るバイクも999から1198に変り、
日本人初のSBKチャンピオン誕生する条件が揃いました。
 私は最近のレースにはあまり関心を持っていませんでしたが

トロイ=ベイリスと「ニトロ」芳賀のライバル間の熱い激闘
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そして、ライバル間の熱い友情(DUCATIチームへ芳賀を推薦したのは他ならぬベイリスでした。)
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まるでコミックの世界の様な事が現実に起こっているのです。
2009年のSBKバイクシーンは見逃せない物になるでしょう。
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by SS992 | 2008-12-29 04:22 | レース

416. +@の称号

2008年度のスーパーバイク選手権(以下SBKと略)はDUCATI1098
駆るオーストラリア人・・・トロイ=ベイリスの優勝で幕を閉じました。
   まさに火花散る走りです。
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しかもベイリスは今期限りでSBK
引退
を表明していました。
フランスのマニクールで行われた
最終戦、第1ヒートを3位でフィニッシュし、年間ポイントがトップとなり、
2008年シーズンの年間チャンピオンを
獲得しました。
しかし、彼は奢る事無く、
第2ヒートも全力
で走り、なんと、
1位でゴール。
最高の後尾
を飾る事が
出来ました。
すでに2回チャンピオンを経験して
いたベイリス・・・。









3度目のチャンピオン、そして最後のチャンピオンシップをどうやって祝福したら良いか、
しかし、チームスタッフはいとも簡単にそしてスマートベイリスを祝福しました。
栄光のゼッケン「21」に「+」のスッテカーを張ったのです。
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何んともイタリア式の、あっけらかんとしたそれでいて最高の祝福です。
チャンピオンは手に入れたのに第2ヒートも全力で走り、誰よりも早くコントロールラインを
駆け抜けた、ベイリス・・・もはや誰も彼を追い抜く事は出来ません。
1098Rベイリス仕様レプリカ も出る様ですが
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1098Rのベイリス仕様にも「+」ステッカー付いていると良いのになあ
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by SS992 | 2008-12-28 15:24 | レース