「峰風」とともに

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540.250cc 単気筒バイクの普及

 1980年代に入ると比較的、小排気量の単気筒バイクが各社より発表されました。
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SRX250は小排気量車では珍しかった本格的ダブル・クレードル・フレームを持っていました。
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NZ250油冷を小排気量車に取り入れた珍しい例でした。
中でもCBX250SCBX125Fのエンジンを250ccにスケール・アップした物でした。
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同じフレームに2倍の排気量を持つエンジンを積んだのですからその性能向上は素晴らしいものでした。
こうした単気筒の小排気量、高性能バイクは軽くて扱い易かったのですが、反面、ビギナー・バイク、
安物バイク
といった不本意な扱いを受け、バイクの本流から消えていきました。
今もその傾向は変りません。
高性能単気筒バイクはもはや生み出されないのでしょうか?
だとしたらとても残念な事です。
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by SS992 | 2009-11-27 11:10 | 憧れだった美女達

539. 単気筒マシンの可能性

 SRの記事を書くために色々調べていたら面白い事が判りました。
日本のビッグ・シングルの草分け、シマ498ロード・ボンバーを製作した 島 英彦 氏は
鈴鹿で行われた、1963年の第1回日本GPでの単気筒車の活躍にインスピレーションを得たと聞きます。
この年の250ccタイトルはHONDAに乗るジム・レッドマンとMoto・Moriniに乗るタルキオ・プロビーニ
間で争われていました。
HONDA RC164 250cc 4気筒 45.4ps/14,000rpm
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Moto morini 250cc 単気筒 37ps/11,000rpm
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 最終戦日本GPまでもつれ込んだ勝負の結果はHONDAの勝利に終わりましたが、
この時、島氏は単気筒バイクの小ささと軽さを生かし、スリムで軽量な車体と組み合わせれば、
多気筒エンジン車に劣らない性能
を実現出来ると考えたのです。
小さくスリムな車体は空気抵抗が少なく、加速性能、ブレーキング性能も向上を期待出来、
コーナリングにも有利、バンク角も深く取れる等、単気筒の可能性を感じ取ったのです。
「356,ロード・ボンバーの残したもの」で採り上げたシマ498ロード・ボンバー1978年の鈴鹿8耐
並居るリッター・マルチに伍して総合8位の好成績を残しています。
氏の考えの妥当性はこの時、証明されました。
 また、燃費も桁違いに良く、8時間のレースの間、3回の給油で済んだそうです。
ロード・ボンバーは島氏の理想のバイクの実現でした。

シマ 498 ロード・ボンバー
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それはパワーよりライダーの扱い易さを最優先にし、乗って楽しいバイクとする事だったのです。
その後、島氏はYAMAHA SRX600(400)の開発に関ったと聞きます。

YAMAHA SRX 600 (Ⅰ型)
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最近のリッター・マルチは操縦性も当時より桁違いに良くなり、単気筒の出番はもう無い様に思われます。
しかし、乗っている事が苦痛になる位、暑くなる様ではライダーが阻害されているのではないでしょうか。
もう一度、ロード・ボンバーやSRXの様なスポーティ・シングルが必要だと私は思います。
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by SS992 | 2009-11-23 13:05 | レース

538.ジャパニーズ・カフェ・レーサー(2) ハブ・ステアSR

 センター・ハブ・ステアというと各社コンセプト・モデルでの発表が殆どです。

SUZUKI ヌーダ 1987年 前後輪駆動にする為のハブ・ステア機構でした。
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YAMZHA モルフォ 1990年 ライディング・ポジションを可変にするために
                     ハブ・ステアを採用した様です。
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kawasaki ZZR-X 2003年 未来志向ハイ・スピード・ツアラーの装備
                     満載でしたが、何故、ハブ・ステアなのか、今ひとつ、はっきりしません。
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唯一の例外がイタリアのビモータです。
テージ1D  1990年
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内部構造
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テージ2D( OEM ヴィールス )  2005年
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ビモータは一度、倒産しましたが、再建された後、テージ3Dを発表した所を見ると、どうやらこのシステムに
かなり、こだわりが有る様です。
テージ3D  2006年
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内部構造
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国産車ではYAMAHAが唯一のハブ・ステア市販量産車を出していました。
GTS1000A 1993年
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この後、どうした訳か、各社ともハブ・ステア・システムには消極的で新型は発表されていません。
 しかし、SRカスタムとしてハブ・ステア・SRを造ってしまったショップが有ります。
ハブ・ステア・SR 2007年
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広島はスカル・モーター・サイクルの作品です。

カスタムスペック

ベース・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・SR400
タンク・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ドリーム50加工
シート・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ワンオフ
ハンドル・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ワンオフ
マフラー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・XS650用
エキパイ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ワンオフ
フレーム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ワンオフ
フロントハブステア機構・ホイール・・・・・・ワンオフ
メーター・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・アクセル電気式(メーター・スピード他)
フロント・リアフェンダー・・・・・・・・・・・・・・ワンオフ
エンジン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・オーバーホール後メッキ加工等
リアスイングアーム・・・・・・・・・・・・・・・・・2センチ延長・加工
フロントサス・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・DS400用たぶん?フルフローター加工
リアサス・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・V-max用フルフローター加工
ステップ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ワンオフ
シートカウル・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ワンオフ
メーターとりくち・・・・・・・・・・・・・・・・・・・VFR400用流用加工
スイッチ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ハーレー用加工
塗装・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・スカルモーター
ピンスト・ロゴ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ジェットレンチ
アクセルホルダー・・・・・・・・・・・・・・・・・ダックテイル
タンクバンド・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・成
フロントブレーキ・・・・・・・・・・・・・・・・・・レブル?
オイルタンク・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ワンオフ
キャブ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・CVオーバーホール
ヘッドライト・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・社外5・1/2、横ずけ加工          
ブレーキロッド・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ツイストワンオフ
                         その他
車検2年付き(公認)

これだけいじって車検を取っているのが驚きです。
日本のショップもまだ、まだ、捨てたものではありません。
誰か、ビモータのテージと乗り比べて欲しいものです。
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by SS992 | 2009-11-21 14:43 | カスタム

537.ジャパニーズ・カフェ・レーサー (1) 隣りのSR

 日本のカフェ・レーサーといえば、CB750をベースにしたRCB1100をモチーフにしたもの等が有名です。

CB750
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RCB1100
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CB750カフェ ホワイト・ハウス コンプリート
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 しかし、日本のカスタム・バイクを語る時、忘れてはならないのはYAMAHA SR400(500)です。
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排ガス問題などで一度は消えたSRですが、キック式始動のまま、燃料噴射装置を装備して復活しました。
他のバイクではこの様な復活は有り得なかったでしょう。
しかし、SRはもはや単なるバイクではなく、日本のバイク界ではSR文化と言えるものに育っています。
アフター・パーツも無数に売られており、YAMAHAもSRを廃番とする事は供給責任を放棄する事だと
考えた様です。
 しかし、その割に思い切りカスタムしたSRを街中で見かける事は殆どありませんでした。
でもある時、近所の若者がSRを購入したので気をつけて見ていると見るたびにその姿が変わって行くのに
気が付きました。
ちょっと目にはあまりいじっている様には見えません。
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でも、マフラーはキャップトン・マフラーに変わっています。
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ハンドルも低く構えたセパレート・ハンドルです。
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ステップも当然の様にバック・ステップに変えています。
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シートもアフターパーツに変えています。
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これだけいじっているSRを生で見るのは初めてでした。 正に灯台元暗しでした。
そしてこれだけカスタムしてもデザイン・バランスの崩れないSRは名車と言えるでしょう。 
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by SS992 | 2009-11-18 20:40 | カスタム

536.アメリカン・カフェ・レーサー CB750の影響

 アメリカにおけるHONDA CB 750 Four の影響は絶大なものでした。
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アメリカにはその誇るべきブランド、ハーレー・ダビットソンがあるにも関らず、です。
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今でも、当初のCB750をレストアしたり、カスタムしたりするエンスージアジストが多数いて、
彼らが CB750 に手を入れる時のこだわりは日本人以上のものがあるそうです。

CB750 VINCENT STYLE    自由にカスタムをする人もいれば、
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レッドータイタン 836 カフェ・レーサー
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CR750 レーサー・D・マン レプリカ  レプリカに徹底的にこだわる人もいます。
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これらの作品を見れば、アメリカ人が繊細でない、とか、不器用な人種とか言うのは誤解だとわかります。
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by SS992 | 2009-11-18 15:07 | カスタム

535. 水冷エンジンの究極の型 V型4気筒

 今まで採り上げてこなかったエンジン形式が一つあります、
それはV型4気筒エンジンです。

V4は当時、世界GPに出場していたHONDAが楕円ピストンレーサー、NR500から得られた
ノウハウによって作り上げられました。(NRはV型4気筒でした。)

 当時HONDAはYAMAHAとYH戦争を戦っており、YMMAHAのRZVT250Fで対抗していました。
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250ccはVツインでも良かったのですが、400cc、750ccは性能上、4気筒が必要でした。
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どうして、V4にHONDAが拘ったかと言えば、当時、どの他社も手掛けていないエンジン形式だったからです。
また、大きなエンジンを小さくまとめられるV4・・・。 だから元々小さい250ccのV4は無いのです。

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V4はエンジンがコンパクトにまとめられる反面、空冷では後2気筒の冷却が難しくなります。
DUCATIのアポロは唯一、空冷のV型4気筒(L型4気筒)エンジン車でした。
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もし、このバイクが初期の目的を果たしていたら今のバイク・シーンは変わっていたかもしれません。
ですが、私は水冷の技術が発展していたからこそ、V4エンジンが可能になったと思います。

APRILIA RSV4  水冷 65°V型 4気筒
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DUCATI デスモセディッチRR  水冷 90°L(V)型 4気筒
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エンジンを最小限にコンパクトにまとめるV4エンジンの開発は熱との戦いでもあったからです。

今、新型のVFR1200Fが動きだしました。 72°V型4気筒
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究極と言って良いバイク・エンジン V4、このエンジンも水冷の技術あってのものだったのです。
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by SS992 | 2009-11-17 16:07 | メカ談義

534.エンジンの冷却方法 水冷システムの普及

 空冷と水冷の違いはシリンダーを直接、気流で冷やすか、気流で水を冷やし、その水でシリンダーを冷やす事で間接的な冷却を行うか、の違いです。
当然、間接的である分、水冷方式の方が冷却効率は悪いと考えられます。
それなのに、何故、空冷では無く、水冷なのでしょうか?
しかも現在のバイク・シーンは殆ど水冷エンジンで占められ、空冷はテイストを求めるもののみとなっています。
少排気量のバイクも水冷化により4気筒でもコンパクトにまとめ上げられる様になりました。

HONDA CBR250RR
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答えは水冷の方が冷却が均一に行えるからです。
空冷の場合シリンダーの横から冷却風が当たる場合、前は良く冷えますが後ろの冷却は悪くなります。
これはシリンダーを横に寝かしたとしても同じでヘッドは良く冷えますが、クランク軸方向の冷えは悪くなります。
しかし、水冷にすると水は比熱が大きいので、水を循環させる事でシリンダーのどの部分も同じ様に冷やす事
出来るのです。
そして、空冷時代には当たり前だった各部の熱膨張によるガタを予め取っておく必要が無くなった事により、
部品の組み合わせ精度を上げる事が出来る様になりました。
これは結果的に部品の軽量化に貢献し、ラジエターやポンプ等の余分な部分が増えても重量を抑える事
出来る様になったのです。
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また、エンジンの回転数も空冷時代より高く出来る様になり、性能向上に大きく貢献しました。

HONDA ホーネット600
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HONDA CB1000SF ( Big1 プロジェクト )
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水冷エンジンはノッペリしていて存在感が薄いと陰口を叩かれましたが、実際にネイキッド・モデルを
作ってみるとフィンが無くてもエンジンの存在感は少しも損なわれていません
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by SS992 | 2009-11-16 19:32 | メカ談義

533.エンジンの冷却方法 異端の方式 油冷システム

 前回はエンジンの冷却方式のうち、最も基本的な空冷方式について考察しました。
今回はその発展方式とも言える油冷方式について紹介します。
油冷システムとはエンジンの潤滑に使っているオイルを有効利用し、潤滑だけでなく、エンジンの冷却にも
一役かわせようと言う合理的な考えももと、生み出されました。

SUZUKI GSX-R750 1990 (油冷)
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1番、熱くなるピストンを直に冷却出来るのは油冷ならではです。

空冷エンジンにもオイル・クーラーを持つものがあります。
空、水冷を問わず、大排気量のバイクには必須の装備となっています。
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油冷エンジンはずっと大きなオイル・クーラーが必要になります。
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油冷は非常に効率の良い冷却方式で他社のバイクにも採用されました。
BMW R1100 も 空・油冷方式でした。
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DUCATIも空・油冷方式を採用していました。
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しかし、BMWもDUCATIもオイル・クーラーを拡大装備しただけでSUZUKIの油冷エンジンの様な
ピストン冷却方式は採用していなかったろうと思われます。
今は水冷エンジンが主流となり、油冷は埋もれた技術になった感がありますがもっと採用されて良い
勝れたシステムだと思います。
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by SS992 | 2009-11-15 19:38 | メカ談義

532. エンジンの冷却方法 空冷とその方式

 エンジンの冷却方法は今では水冷がメインですが、過去にはバイク・エンジンは空冷が当たり前でした。

自動車は比較的初期から水冷エンジンを積んでいましたが、エンジンにハンドルとシート、そして車輪を付けただけの様な簡素な乗り物であったバイクはまず、軽量である事が望まれました。

水冷にするとラジエターや冷却水、そのタンクと、走りに関係の無い重量物が必要となるからです。
そして、まず、問題になったのはシリンダーに対する冷却風の当て方や冷却フィンの細かさでした。
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これはシリンダーの表面積を出来るだけ広くして冷却効率を上げ様とした試みでしたが、
空気には粘度(粘りつく性質)があり、フィンを細かくしすぎるとかえって効率が落ちることが解り、
今ではBSAほど細かいシリンダー・フィンは見られなくなりました。

皆さんも古いビルの部屋で部屋の角が他と比べ、汚れておらず、白い線になっているのをご覧になった事が
あると思います。
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あれは空気が粘度を持つため、気流が角の直前で反転してしまい、汚れが角の奥まで運ばれないから
白いスジとなって残るのです。

通常のバイクのエンジン・シリンダーは直立していますが初期の少排気量バイクにはシリンダーが横に寝て
おり、シリンダーの冷却フィンもシリンダーと平行に刻まれている物
が多数ありました。
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現在でもHONDAのスーパー・カブやDUCATIの空冷車両の前シリンダーの冷却フィンは縦刻みです。
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シリンダーを横に寝かせる方式は冷却効率は良いのですが、横になったピストンの側面、下側になった方に
いつも負荷が掛り続ける事になるため、大排気量車には向かないはずですが、
いまでもDUCATIのLツインの前シリンダーは水冷になってもこのレイアウトを変えていません
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技術は蓄積する事で不可能や不利を克服しうる良い例だと思います。
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by SS992 | 2009-11-14 17:06 | メカ談義

531. エンジンは何故、多気筒化する?

 エンジンを構成する部品の内、ピストンやシリンダー、コンロッド、給排気バルブ周りは回転運動を
しないで往復運動をしますが、この時発生する慣性力はとても大きな物です。
(200ccの単気筒エンジンのピストンで回転数、10,000rpmの時、慣性力は 約1t にも成ります。)
これら、往復運動をする部品の慣性力がエンジンの振動となって現れます。

529.で、エンジンの排気量を上げて、なおかつ、回転も上げられる方法として
もともとの単気筒エンジンを二つ並べる方法を示しました。  これが2気筒エンジンです。

 この場合、排気量も2倍となる設定で話を進めましたが、元々の単気筒の場合の排気量を変えず、
2気筒にするとどうなるでしょうか? 1気筒当たりの排気量は 1/2 に なります。
当然、ピストンやシリンダー、コンロッド、給排気バルブ周りも小さくて良くなります。

 当然、そこに働く慣性力も小さくなり、振動も低く抑えられるばかりではなく、互いの気筒で発生する振動を
相殺させて消す事も出来るのです。

こうした考えのもと、1960年代、ジレラやMVアグスタは4気筒のマシンで世界GPを戦っていました。
ジレラ 500cc 4気筒 レーサー
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MVアグスタ 500cc 4気筒 レーサー
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後発のHONDAは4気筒のマシンはおろか、250cc 6気筒のマシン、 50cc 2 気筒のマシンを投入しました。
RC161  250cc  4気筒
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RC166  250cc  6気筒
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  50cc 2気筒 レーサー
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鉛筆の様なピストン、マッチ棒のような点火プラグを装備した
HONDAのレース用エンジン時計の様に精密だと欧米人を驚かせました。
 そして、1969年初の直列4気筒マシン ホンダドリーム CB750 K0 が発売され、
国内外のユーザーに熱狂的に向かい入れられました。
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当時、欧米の各メーカーは750cc以上のバイクを出していたのにも関らず、です。
ノートン・コマンドー 850
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ラベルダ 750FC
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ビンセント・ブラックシャドウ 1000cc
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DUCATI 750GT
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しかし、どのメーカーのバイクもGPレース直系を匂わせるエンジンではありませんでした。
MVアグスタ750s アメリカ
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唯一、MVアグスタだけが並列4気筒を積み、GP直系をアピールしましたが、価格的に高価で若者に
手の届くものではありませんでした。
HONDAを含め、日本車はレーサーに引けを取らない外観と性能、そして信頼性を兼ね備えていました。
しかも、価格的に他社に比べて安価だったと考えられます。
これでは、勝負になりません。 欧米のメーカーは次々と姿を消して行きました。

つまり、エンジンの多気筒化は何よりもそのバイクの高性能の証として必要なものだったのです。
そして、高性能であるにも関らず、信頼性も高く、値段も安い、コストパフォーマンスの高さ
ホンダ・ドリーム CB750 Four の人気の秘密だったのです。
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by SS992 | 2009-11-09 14:27 | メカ談義