「峰風」とともに

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587. ’73 イモラ 200マイル レースの伝説

 ドカティは1972年のイモラ 200マイル レースで1,2フィニシュを飾り、その名を世界に轟かせました。

イモラ 200マイル レースで快走する ドカティF750 (ライダー:ポールスマート)
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優勝はポール・スマート、2位はブルーノ・スパッジアーリでした。

翌1973年の イモラ 200マイル レース では同じ ブルーノ・スパッジアーリ が
やはり2位に入りましたが マシンの方は全くの別物でした。

1973 イモラ 750RR
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エンジンはショーターエンジンと呼ばれるストローク64.5mm、ボア86~87mmの
ショートストローク型で、高回転・高出力を狙ったものでした。
 当時、レース界は2stが台頭し、4stのレーサーはほとんど見られなくなっていましたが、
ドカティは4stマシンのメーカーとして最後の栄光を飾ったのです。
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この後、ドカティは4stマシンの活躍の場を求めて耐久レースやスーパー・バイクに活躍の場を移し、
デスモドローミックを備えたLツイン・エンジン、トリレス・フレーム、ピポット・レス・スイングアーム等の
独自の技術に磨きをかけ、今はオートバイレースの最高峰、MotoGPを闘うまでになっています。
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by SS992 | 2010-05-30 21:11 | レース

586.DUCATI の トリコロール・カラーを考える

 ドカティの色と言えばが主流ですがトリコロール・カラーもスペシャル・バージョンには良く使われます。

スーパーバイク 1198 トリコロール・カラー
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モンスター S4Rs トリコローレ
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 このカラーリングの元になったのはイタリア国旗ですが、ここで面白い事に気が付きました。
旗は通常、旗竿側が前と決まっています。(文字が入る場合は変る事もありますが・・・)
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は森に富む美しい国土は冬の雪景色はそこに住む人々の熱い血潮を表しています。
 元々このトリコロール・カラーは750パンタF1で採用されたのが初まりでした。
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 この時、もうすでに今の色配置になっていました。
そこで、色配置を 国旗 と同じにしてみました。
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 新鮮な感じはしますが今一つです。
ドカティにも同じ様な事を考える人はいるもので初期のスーパーバイク 851 ストラーダに類似の
カラーリングがありました。
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でも、やはり、赤を先頭にしたい様で緑の前にもう一度、赤を持って来ています。
きっとイタリアの色は赤に尽きるとのこだわりでしょう。
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by SS992 | 2010-05-27 17:12 | カスタム

585.世界GPとMotoGP (7) レギュレーションの変更

 世界GPやMotoGPといえどもレースですから参加者が極力、対等に戦える様に
レギュレーション(規則・制限)があります。
しかし、1960年代後半まで世界GPのレギュレーションは排気量の区分位で、2st、4stの区別すら在りませんでした。
しかし、日本製マシンが活躍を始めるとライダーは各国様々な国籍でしたが、マシンは日本製という
展開になり、欧米のファン達にとっては面白くない展開になっていきました。
そこで、レースを統括していた国際モーターサイクリズム連盟(FIM)は日本車に不利になるレギュレーションの
変更をおこないました。
それが有名な気筒数制限とミッション段数制限です。(1969年施行)
排気量500ccクラスと350ccクラスは4気筒まで。
250ccと125ccは2気筒まで。
50ccと80ccは単気筒。
そして変速機の段数(ミッション段数)は全てのクラスにおいて6段までとする内容でした。

HONDAは1967年を最後に「この制限下では新しい技術開発の可能性は見出せない。」として
世界GPから撤退しました。
RC-181
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SUZUKIやYAMAHAも追従し、一時は世界GPに日本車の姿は消えました。
しかし、どうしてこの制限があると日本車は不利になるのでしょうか?
まず、気筒数制限が在ると日本車(特にHONDA)が得意とする高回転・高出力型のエンジンが作れなくなります。

RC-166
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250ccなのに6気筒もあります。

そして、もう一つのミッション段数制限が日本車封じの決め手でした。
当時、HONDAを除く全ての日本ワークスは2stエンジンを採用していました。
そして、2stエンジンはチューンすればするほどパワーバンドが狭くなる宿命を負っていました。
つまり、有効な馬力を出せるエンジン回転数の領域が少なくなってしまうのです。
それをどんな速度で走ってもパワー・バンドを外さない様、変速段数を多くして補っていたのです。
(最大14段のマシンもあったと聞きます。)
また、4stのHONDAは直列エンジンを採用していましたが、この直列エンジンという形式は、やはり
チューンすればするほどパワーバンドが狭くなるのは同じだったのです。

欧米のワークスはレーサーは馬力だけでなくハンドリングなど総合的なバランスを取る事が重要だと
言う事に早くから気付いていました。
だから、このレギュレーション変更にもついて行けましたが、日本車は直線での馬力に任せた速さに
頼り切り、コーナーは我慢してやり過ごすと言う古風な戦術に固守していたため、見事FIMの思惑に
乗せられた形になってしまいました。

その後、世界GPにHONDA、SUZUKI、YAMAHAは復帰しますが総合力の充実がいかに重要かと
言うことはケニー・ロバーツ以下名選手達によって伝授されたと言っても過言ではないでしょう。
彼等の要求を聞き入れることで総合力のアップが図れたのです。

ケニー・ロバーツ (ホッケンハイム 1981)
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by SS992 | 2010-05-17 09:40 | レース

584.世界GP と MotoGP (6) クラシックな新車 パトン

 昔のGPレースを思わせるクラシック・レースが欧州では盛んに行われています。
ここではノートン・マンクス、マチレスG50、シーリーG50等が活躍していますが、
もう一つパトンと言う聞いた事の無いレーサーも活躍しています。

 パトン
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 パトン ストリップ状態
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これは 4st のパラレル・ツイン 500cc レーサー です。
もともとは1960年代後半に活躍したマシンですが、本格的ワークスはHONDAとMV位だった当時は
ノートン・マンクスやシーリーを駆るプライベーター達に混じって走っていましたが、2st勢の台頭とともに
1975年、設計者のパットリーニは4stに見切りをつけ、2st V4 マシンの開発に移行しました。
そして、なんと2001年まで挑戦を続けました。

そして、今はクラシック・レースでは2007年から2009年までチャンピオンを取得し続けています。
このマシンの一番の特徴はクラシック・レース専用に作られた新車だと言う事です。
クラシック・レースのレギュレーションに合わせて新たに製作された市販レーサーなのです。
しかも、GP活躍時代より工作技術も使える材料の質も良くなっており、今のマシンの方が
設計は同じでも過去のGPマシンより性能が上乗せされた形になっています。

価格はデスモセディッチRR並みですが、過去GPで活躍したレーサー達がパトンを
手に入れ、クラシック・レースに出場してレーサー・ライフを楽しんでいるのです。
頭の固い日本では考え難いレーサーです。
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by SS992 | 2010-05-09 21:47 | レース

583.世界GP と MotoGP (5)  プライベートは4stで? 

 今では考えられない事ですが、世界GPで 2stマシン と4stマシン が混走していた時代には
世界GPにプライベート参戦する強兵が沢山いました。

彼等が参戦マシンに選んだのはノートン・マンクスが一番多く、2番目はマチレスG50、シーリーG50
ほとんど4stのマシンでした。
何故か2stマシンは市販レーサーとして販売されなかった様です。
250cc、125cc には市販レーサーが存在しました。)
こうした市販レーサーのうち、珍しいマシンにはリントがあります。

これはアエロマッキ社がハーレーの傘下にあった時、活躍した250ccレース・エンジンを平行に並べたものでした。

 アエロマッキ 250cc シングル・レーサー
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このマシンのシングル・エンジンを2つ並べた500ccパラレル・ツインを積んだのがリントです。
 リント パラレル・ツインエンジン
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 リント マシン
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 リント ストリップ状態
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フレーム・ワークドカティのパンタ系に酷似していました。
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好調な時のリントは素晴らしく速く、優勝もした事もありましたが、好調な時は滅多にないと言う
悲劇のマシンでした。(プライベート・チームの悲しさ?)
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by SS992 | 2010-05-06 21:01 | レース

582.世界GP と MotoGP (4)  2st の優位性 

 4st は 吸気、圧縮、爆発、排気 の 4工程を経て回転するので4ストロークと言われます。
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但し、この4工程をこなすにはエンジンが2回転回る必要があるのですが、駆動力を生む爆発は1回しか
しません。

2st は 圧縮・爆発 と 吸気・掃気 の 2工程を経て回転するので2ストロークと言われます。
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そして、この2工程を1回の回転でこなします。 つまり、駆動力を生む爆発は1回転に1回するのです。
従って理論的には、2st は 4st の半分の回転数で同じ出力を得る事が出来るのです。

但し、 4st は1つ1つの工程が厳密に区切られており、燃焼の効率が高いのですが、
2st は 工程の区切りが厳密では無く排気は新しく吸入した混合気で押し出す仕組みになっているため、
排気に混合気が混じる事になり、燃焼の効率は 4st より劣ります。
さらに潤滑オイルも燃料と一緒に供給されるので、排気も汚いのです。

とは言うものの、排気量が同じだったら倍の出力が得られる2stエンジンはオン・オフを問わず、
レーサーに用い続けられたました。

 YAMAHA YZR500
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 HONDA NSR500
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by SS992 | 2010-05-03 21:33 | レース