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740.竜の卵(4) ノートン・クラシック

 一番最後にREバイクを扱ったのは皮肉にも英国の老舗、ノートンでした。

 ノートン・クラシック (1988年式)
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仕様: 空冷2ローター 588cc

最高出力:  80ps/9000rpm

最大トルク: 6.98kgf/7000rpm

最高速度: 200km/h

車両重量: 229kg

バン・ビーンから更に10年の歳月が流れているのでエンジン周りはより洗練されている様にみえます。
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特徴的なボックス状フレーム
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ノートンのフレームと言ったらフェザー・ベッドと呼ばれたダブル・クレードルの物が有名ですが
RE車ではその伝統を捨てていました

RE車を扱っていた時代のノートンは通常のレシプロ・エンジンのバイクをほとんど作っていません。

これは1960年代のノートンが持っていた重大な問題と関係がありました。

それは大排気量パラレル・ツイン(360°クランク)・エンジンを積んでいた事に起因する振動問題でした。

この問題を解決する為に今のスクーターのエンジン搭載方式の様なアイソラスティック機構と言う方式まで
採用していました。 (接合部はラバー・マウント)
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基本的に振動問題の少ないREノートンにとって他社よりもより魅力的に感じられたのではないでしょうか?

しかし、他社も悩まされた冷却問題や重量問題、ひいては高価格といった問題はノートンと言えども
無視出来ず、また、この当時販路の無い事も大きなマイナス要素となってノートンのREは消滅しました。

 ノートン F1 (1991年式)
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仕様: 水冷2ローター 

排気量: 588cc

最大出力: 95ps

車重: 192kg

価格: 450万円

当時としてはかなりの高性能でしたが価格がこれほど高額では売れるはずもありませんでした。

こうしてRE車はメーカーとユーザーそれぞれに夢と挫折を残して消え去りました。

しかしレシプロ・エンジンの技術の熟成に多大な貢献をしたと思われます。

REの技術は決して無駄には成らなかったのです。
                                                      (この項了

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by SS992 | 2012-02-12 21:00 | 憧れだった美女達

739.竜の卵(5) バンビーンOCR1000

 バンビーンは我が国ではさほど有名ではないバイクメーカーですが、欧州では知らぬ者はいない
有名なオランダの会社
でした。

1973年、時代の流れに乗る様にバンビーンREバイクを企画しました。

彼等が選んだエンジンはシトロエンGS 2ローター 996cc エンジン(107hp)でした。

試作車はエンジンが四輪用である事も手伝ってかなり大柄になりましたが、これがかえって好評を得、
バンビーンは製品化を決意しました。

 バンビーン OCR1000 (1977年式)
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仕様: 排気量 996cc (2ローター式)

     最高出力 100ps/6500rpm

     最大トルク 13.8kgm/3500~5000rpm

     最高速度 200km・h以上

     車両重量 345kg

エンジンは元々四輪車用だったので構造などに無理は感じられません。
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排気管の冷却方式はスズキRE5と同じ形式を取っていました。
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大柄な車体を売り物にしていたバンビーンOCR1000ですが大きな問題を一つ抱えていました。

ナンバー取得オランダでは出来なかったのです。

結局、西独(もはや死語)ドュデルスタット新工場を構えました。
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最高出力こそBMW K100と同じ100hpでしたが最大トルクは倍以上あり、
その先行きは開けたかに見えましたが、スズキRE5も悩まされた量産化に向けての改良で重量が増えると
いう問題が行く手を阻みました。

試作段階での車重は270kgでしたが生産仕様の装備重量では330kgにもなってしまいました。

OCR1000のためだけに新工場を用意しなければならなかった事は当然、生産コストに跳ね返り、
バンビーンOCR1000は非常に高価なバイクとなってしまいました。

高価で重量過大なバイクは流石にアメリカでも売れず、その生産台数は僅か37~48台と言われています。

テスターに異次元の乗り味とまで言わせしめた異端の竜はここにその生涯を閉じたのです。
                                                     (この項続く

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by SS992 | 2012-02-06 21:00 | 憧れだった美女達