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「峰風」とともに

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751.DUCATI エリート Ⅱ

 色々あってバイク界から足を遠のかせていた私ですがチョット心を擽られる物に出会いました。

オランダ、ヌエネンに居を構えるMOTO PUROが制作したこの車両、往年の名車 エリートを
モチーフにした物です。

DUCATI エリートⅡ (MOTO PURO 制作)
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このバイクは”宝石の様な美しさ”だと紹介されていましたが、私には違和感がありました。

確かに往年のエリートに近い塗装とメッキ部品に彩られてはいます。

しかし、決定的な部分が違います。

本家エリートは空冷200ccの小型バイク、このエリートⅡは水冷、しかもあの1199(!)
パニガーレSがベースとなっている大型バイクだと言う事です。

今時、200ccのバイクなんてDUCATIは見向きもしないでしょうが、当時のイタリア・バイク界では
エリート200は正にパニガーレSの位置にあるバイクでした。

だからMOTO PUROのアプローチ方法は決して間違ってはいません。

ですが、空冷小排気量車の持つ独特の軽快感は表現出来ていません。

DUCATI エリート200 (1959~1965年)
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           (単気筒なのに二本出しのマフラーがオシャレです。)

本家の持つオーラはレプリカのメッキを簡単に剥がします。

エリートⅡを制作された方を決して貶める気はありません。

しかし、1199の大馬力をスポーク・ホイールで吸収出来るか、どうか、シロウトでも判ります。
そのスポークもごく普通の入り方にしか見えません。

もし、このスポーク・ホイールで1199の大馬力を吸収出来るとしたら大した技術です。

またもう一つ、私がこれはエリートⅡを名乗ってはいけないと思ったのはガソリン・タンクの形状に
あります。
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このガソリン・タンクは直線で飛ばす時、ライダーが前傾姿勢を取った時、両二の腕をタンク側面に
仕舞い、伏せた顔の顎をタンク上面の凹みに収めると言う速度向上に最大限の努力を払う設計が
為されていました。

(このタンクはその形状からソラマメ・タンク、ピーナッツ・タンクと呼ばれています。)

当時のバイクは非力だったからこの様な工夫が必要でしたが、1199の大パワーを持ってすれば
その様な工夫は最早不要だとMOTO PUROが判断したのも無理からぬ物があります。

しかし、この部分こそエリートⅡがエリートの名を名乗れるか、どうか、一番大事な部分です。

空冷でない事も致命的な欠点ですが、本来のエリートの位置づけを考えると一概に否定出来ない物が
有ります。

兎にも角にもエリートⅡは美しい事は確かです。
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# by SS992 | 2014-08-14 21:00 | 憧れだった美女達

750, DUCATI 899 パニガーレ

 DUCATI 899 パニダーレがとうとう発表になりました。

 DUCATI 899 パニガーレ (2013年)
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もともとのDUCATI 1198 パニガーレスイングアームが片持ちでした。

 DUCATI 1198 パニガーレ 
750, DUCATI 899 パニガーレ_b0076232_9144283.jpg

そしてその内容はモトGPマシンと同じエンジン・フレーム機構の採用とラジカルなものでした。
750, DUCATI 899 パニガーレ_b0076232_1074078.jpg

 私は本来、DUCATIスーパー・バイク嫌いです。

もちろん、価格的に手が届かないのが一番の理由ですが、それ以前に公道で使い切れもしない性能の
バイク
を売ろうとする姿勢がいやだったのです。

しかし、今回、私が”バイクを降りよう”と決心した理由が「DUCATI 1198 パニガーレ 日本仕様」の無様な姿だった事で私が「DUCATI スーパー・バイク群」に抱いていたものが単なる「ヤッカミ」だった事がはっきりしました。

 DUCATI 1198 パニガーレ 日本仕様
750, DUCATI 899 パニガーレ_b0076232_1062451.jpg

DUCATI 1198 パニガーレの外観上、一番目立つ特徴はDUCATI初のセンター・マフラーでした。

しかし、日本仕様では本来のエキゾースト系に継ぎ足す形でマフラーがついています。
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これは完全に1198 パニガーレ 日本仕様を心待ちにしていたユーザーへの完全な裏切りです。

確かに、DUCATIにとって日本は最大の市場であり、そこでの販売の成否が会社の将来に係わるのは理解できます。

でもだからといって自国が「デザイン大国」である事を忘れたDUCATIが「売らんかな」だけに走る様になった事を感じた時、私は「バイク界」全体に絶望しました。

ですが、前回書いた様に、まだまだ「志しを持つ同士」がいるのを感じ、私自身はバイクを”降ります”が研究だけは続けたいと思います。

DUCATI 899 パニガーレ 日本仕様DUCATI 1198 パニガーレ 日本仕様
様な無様な事にならないと良いのですが・・・。

私は中間排気量という事で1198ほど厳しい対策はせずとも、ないしは対策をしても本来の排気系の中に収められるのでは・・・と密かに期待しております。

( 追記 )
私はDUCATI 1198 パニガーレ 日本仕様に乗っておられる方を決して侮辱するつもりはありません。

少し位かっこ悪くてもよいから パニガーレに乗りたい人、 性能がデザインより優先する人、「人の好みは
人それぞれです。 だから、現オーナーさん達やそのバイクにケチを付けるつもりは毛頭ありません。

許せないのは自国が「デザイン立国」である事を平気で投げ出せるDUCATIそのものなのです。



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# by SS992 | 2013-10-14 20:00 | 憧れだった美女達

749, WCBRーDUCATI LS 500 GP

 どうも、本当にお久しぶりです。

諸般の事情により、私は ”バイクを降りました。” 当然、このブログも続ける ”情熱” を
失っていました。

Net上である記事を見つけるまでは・・・。 

それが今回取り上げるWCBRーDUCATI LS 500 GPです。

 DUCATI LS500 GP デスモ NCR ( 1970 )
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名前に「NCR」の文字が読める様に、最初は「NCR」関連の情報を漁っていました。

その時、この画像に出会ってしまったのです。 

例えようもない ” 美しいフォルム ”、” 意味ありげな太いダクト・パイプ ” 更に加えて、

DCATI、500GP、 デスモ、の文字はもう魔法の様に私を捉えて離しませんでした。

本来、1970年は私のもう一つのブログ、「クラシックで行こう!」で取り扱うべき
年代なのですが、

私の拙い英語力で英語のサイトを漁ってゆくと1992年末に米国西海岸のカスタマーが
ロング・ストロークGPマシンとして組み上げたため、LS500GPと呼ばれるものらしい事が
判ったので「峰風」ともにの方で扱う事にしました。

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 とは言うものの、しかし、初っ端から躓いてしまいました、「WCBR」の意味が判りません。

”何らかの”会社名だとは思うのですが、実態は掴めませんでした。
(知っている方、教えて下さい。)

どうのこのマシンの成り立ちはかなり複雑な様相を呈しており、私には良く判りません。

錆び付いたギヤ・ケースをどうした、350ccをロング・ストローク化して(?)500ccに対応した
などどエンスーの自慢話が続いているようでもう訳し続ける気にはなれませんでした。

私はスペックや製作過程などはどうでも良いから、まずは「このマシンの成立過程」が
知りたいのです。

その結果、以前、私が自分の別のバイク・ブログ、「クラシックで行こう!」で分析した事を元に
自分なりにLS 500 GP について再分析を試みました。

DUCATIがWGPに挑んだのはまず125ccクラスからでした。
749, WCBRーDUCATI LS 500 GP_b0076232_15242291.jpg

次は250ccクラスへ挑戦しましたが、”技術” のDUCATIが単なるスケール・アップに終わる
はずがありませんでした。
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2年間で4位に2度入るという結果ではDUCATIとしては決して満足出来る結果では
ありませんでした。

DUCATIの ”神” タリオーニ技師をもってしてもこの結果だったのですからDUCATIとしては謙虚
ならざるを得ず、自社のパラ・ツイン信頼性に不足していると悟ると直ぐに単気筒に立ち返り
レースに復帰しました。
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 次はWGP350ccクラスですが、意外とこのクラス、充実した実績があった様で様々なマシンの
画像が残っています。
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私はDUCATIもさすがにWGP 500cc クラスはLツインでの出場と決めて掛っていました。
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しかし、実は WGP 500cc 単気筒マシン と思しき気になる画像を入手してはいたのです。
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Lツイン・レーサーの計画が進んでいるのに今更、シングル・レーサーの開発をしているとはとても
考えられなかったのです。

WCBR-DUCATI LS 500 GP は実際にWGPを走ったバイクではない様です。

今回の記事は多分、復元を意図して行われたレストアではないかと思われます。

本当にWGPを走ったのであれば素晴らしい事だったと思います。
(1枚目はもしかしたら・・・かも。)

ですが、レストアといってもその苦労は並大抵のものではなかったでしょう。

その苦労の一端を紹介して今回は終わりと致します。
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 私が挫折した「英文」です。 興味のある方は訳して見て下さい。
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# by SS992 | 2013-10-07 22:00 | レース

748.  新年のご挨拶 と お休みのお知らせ

 今年は巳年、蛇の年です。

といえば低く、長い、その姿から連想されるバイクはやはり、ハーレーのチョッパーでしょう。

 XRーRT-COBURA (サンダス・エンタープライズ 製作)
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低く長い車体とまるで鎌首を持ち上げた様なステアリング部の処理が真にCOBURAを思わせます。

エキゾーストもとぐろを巻いている様です。

機能造形美が見事に融合した逸品と言えるでしょう。
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 私事になりますが、昨年の夏から体調が勝れずブログの更新が出来なくなってしまいました。

今に到るも積極的な研究作業が出来ず記事が作れません。

このブログを楽しみにしていて頂いている皆様には大変申し訳ありませんがブログをしばらく休止いたします。


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# by SS992 | 2013-01-01 06:00 | アイサツ

747. MVアグスタF3 3気筒の幻想

2012.7.31 記事修正

 MVアグスタF3が本格的に日本に上陸しました。

 MVアグスタF3 ( 2012年式 )
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747. MVアグスタF3 3気筒の幻想_b0076232_17595692.jpg


F4750cc~1000ccと排気量が大きく、気筒数も4気筒でしたが、

 MVアグスタF4 ( 2010年式 )
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今度のF3675cc中間排気量になっただけでなく、3気筒になったのが、大きな特徴です。

 MVアグスタF3 エンジン
747. MVアグスタF3 3気筒の幻想_b0076232_18102738.jpg


MVアグスタはHONDAと並んでマルチ(多気筒)・レーサーのメーカーでした。

 MVアグスタ 4気筒 レーサー (500cc)
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しかし、その本領を発揮したのは500cc、3気筒レーサーでした。
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747. MVアグスタF3 3気筒の幻想_b0076232_18342866.jpg


HONDA高回転・高出力を求めてどんどん多気筒化を進めていったのに対し、
MVアグスタは闇雲な多気筒化による重量増大とその結果、表れるハンドリングの悪化を嫌い、
レースが行われるコースに応じて3気筒と4気筒を使い分けると言う柔軟さを見せました。

すなわち、ハンドリングが重視されるテクニカル・コースには3気筒を、馬力が必要な高速コースには
4気筒を、 と、使い別けたのです。

この結果、HONDAWGPから一時、撤退していた時期MVアグスタは自らが撤退するまで無敵でした。
(MVアグスタの撤退は1961年、HONDAの撤退は1968年で、MVアグスタの撤退の方が先でした。)

WGPの最高峰500ccでしたから、私としてはF3の排気量は500ccにして欲しかったところですが、

 MVアグスタ 500-3 ( SS992の私的バーチャル・カスタム )
747. MVアグスタF3 3気筒の幻想_b0076232_19161363.jpg


他のメーカーとの競合を考えると675ccという排気量の選択は致し方なかったところです。

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細部に目を向けてみると F4譲りのトリレス・フレームイタリアン・バイクである事を強烈に
主張しています。
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シートはタンデムで出来るダブル・シートが装着されていますが、その形態はシート・ストッパーが付いた
シングル・シート風の秀逸なデザインが施されています。
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また、3気筒である事を主張するマフラーはスラッシュ・カットされた排気口を持ち、その形も短く、それでいて
優美な曲線を持つ逸品です。

 MVアグスタF3・・・このバイクが152万円で販売されるのは驚きです。
747. MVアグスタF3 3気筒の幻想_b0076232_19132096.jpg


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# by SS992 | 2012-07-25 21:00 | 憧れだった美女達