数ある
H・Dの中にあってひときわ凄みがあるこの一台は
性能を追求するためには形振り構わずひたすらに速度を求める意志その必然から生まれる美しさに満ちています。
GOLIATH Ⅱ
① ② ③
④ ⑤
①計器は
スミス製のタコ・メーターのみです。
②ホイールは
モーリス製マグの18インチ。マルキッゾ製のフロント・フォークに着く
ブレーキは
ブレンボ製を選択しました。
③レーサーらしい
メガホン・マフラーはWILLAMS製を装着しています。
④キャブはデロルト製の40Φをデュアルで装着していますが、反対に
一切の装飾は施されていません。
⑤エンジン・ヘッドはスピュースの手になる逸品、高い性能と美しさを両立します。
このマシンが製作されたのは
1981年、すなわち
スピュースがAFMの
オープンGPクラスにおいて当時の年間チャンピオンを獲得した1台です。
ボンネビルでは281.6km/h と言う強烈なもの。非公式ながらこの記録は1300ccにおいて
24年間破られません。現在もタイトルを保持しているかどうかは判りませんが、
この車両が相当、いや
怪物的なパフォーマンスを持っている事が判ると思います。
レーシング・シャーシーの製作で名高い
コスマンが骨格を、
1290ccの心臓はスピュース製の
オール・アロイ。そして
アンドリューヌのボンビネル・カムをセットしたこのレーシングマシンの
最高出力は140ph、今でこそ
200phの車両がお金を出せば買えますが、
1981年当時はスピードを求め、どこまでも、突き進むと
自作するしか無かったのです。