飯島氏の
本分は
潜水艦物よりも大艦巨砲(戦艦)物を描いた時、発揮されます。
黄金の艦隊 作/
吉岡 平・たいらひろし 短編集
北海の堕天使 原作・吉岡 平 上記短編集収録
トルステイン公国ー戦艦「ヨツンハイム」とフランス戦艦ー「オジュロー」の海戦シーンです。
レーダー射撃の出来る
戦艦ー「ヨツンハイム」の放った46センチ砲弾が
戦艦ー「オジュロー」の
バイタル・パートを直撃し、
火薬庫に引火、大爆発を起こすシーンです。
戦艦同士の砲戦をキチンと描いたのは
飯島氏が最初なのではないでしょうか。
また、この短編集に載っている「
Go!Go! ビスマルク」では
ドイツ戦艦「ビスマルク」が
経済的な将来の展望に従って連合国側に亡命した事が発端となって大騒動が起きると言う
馬鹿馬鹿しくも納得力のある展開を見せてくれました。
ビスマルク艦長、
クラウス・フォン・シュッツガルドは言います。
「
1民族の絶滅などもってのほか!! 客は1人でも多い方が良いのだッ」と。
彼は
ポルシェ博士の作った
フォルクス・ワーゲンを見て
ヒットラーの政策の誤りを悟ったのです。
軍事力ではなく、
開発生産能力・経済力で
ドイツは勝負すべきだと考えたのです。
こうした視点は
小澤作品には希薄でした。
新しい力が台頭してきている事がはっきりしてきました。