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「峰風」とともに

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539. 単気筒マシンの可能性

 SRの記事を書くために色々調べていたら面白い事が判りました。
日本のビッグ・シングルの草分け、シマ498ロード・ボンバーを製作した 島 英彦 氏は
鈴鹿で行われた、1963年の第1回日本GPでの単気筒車の活躍にインスピレーションを得たと聞きます。
この年の250ccタイトルはHONDAに乗るジム・レッドマンとMoto・Moriniに乗るタルキオ・プロビーニ
間で争われていました。
HONDA RC164 250cc 4気筒 45.4ps/14,000rpm
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Moto morini 250cc 単気筒 37ps/11,000rpm
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 最終戦日本GPまでもつれ込んだ勝負の結果はHONDAの勝利に終わりましたが、
この時、島氏は単気筒バイクの小ささと軽さを生かし、スリムで軽量な車体と組み合わせれば、
多気筒エンジン車に劣らない性能
を実現出来ると考えたのです。
小さくスリムな車体は空気抵抗が少なく、加速性能、ブレーキング性能も向上を期待出来、
コーナリングにも有利、バンク角も深く取れる等、単気筒の可能性を感じ取ったのです。
「356,ロード・ボンバーの残したもの」で採り上げたシマ498ロード・ボンバー1978年の鈴鹿8耐
並居るリッター・マルチに伍して総合8位の好成績を残しています。
氏の考えの妥当性はこの時、証明されました。
 また、燃費も桁違いに良く、8時間のレースの間、3回の給油で済んだそうです。
ロード・ボンバーは島氏の理想のバイクの実現でした。

シマ 498 ロード・ボンバー
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それはパワーよりライダーの扱い易さを最優先にし、乗って楽しいバイクとする事だったのです。
その後、島氏はYAMAHA SRX600(400)の開発に関ったと聞きます。

YAMAHA SRX 600 (Ⅰ型)
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最近のリッター・マルチは操縦性も当時より桁違いに良くなり、単気筒の出番はもう無い様に思われます。
しかし、乗っている事が苦痛になる位、暑くなる様ではライダーが阻害されているのではないでしょうか。
もう一度、ロード・ボンバーやSRXの様なスポーティ・シングルが必要だと私は思います。
by SS992 | 2009-11-23 13:05 | レース