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「峰風」とともに

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593.電動バイクの私的デザイン考 (1)重量物の配置

 前回、電動バイクにはガソリンタンクが無いから好きになれなかったと書きましたが、
実際、自分がデザインするとなると話は変って来ます。

バイクは敏捷性を要求される乗り物です。
その敏捷性を確保する為にはバイクの低重心化を図らなければなりません。

このマシンはモーター・ユニット下にもバッテリー・ユニットを配置している事が解ります。
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TTXGP2010年第2戦優勝車 Lightning Motors のレーサー
下部カウルの形状がバッテリーの内臓を想像させます。
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これらのレーサーはモーター・ユニットの下にまでバッテリーを積んでいます
つまり重いものは極力下へ追いやる考え方です。
現在の電動バイクにおいては、重量物はモーター・ユニットとバッテリーに他なりません。

そして、ガソリン・タンクのあった位置にはなるべく軽い物を装備する必要があります。

現在各社ともこの位置には何も付けないか、ライダー用の腹当てパッド等、ダミーの
タンク
を付けている様です。

何も付けない例 チーム・ノートン・エレクトラ
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前回紹介したSWIGZ.com レーシングチームのレーサーは所狭しとバッテリーを積んでいました。
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少型多数主義なのかどうかわかりませんが私にはスマートなやり方には思えませんでした。

私の見る限りでは今のところ最も完成度の高いモーター、バッテリーユニットの配置を持っているのは
MotoCzysz E1pc です。
このレーサーは2010年6月10日に行われたTT Zero の優勝車でもあります。
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バッテリーとモーターがワン・ユニットに纏まっています。
(モーターは更に2基あり、合計3基で駆動する模様です)
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上面はダミーのガソリンタンクでライダーの腹を当てる様になっています。
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原型となったバイクの外見を重視したレーサーはTTXGP2位のZero/Agniを除いて
殆ど先頭争いに加わる事はありませんでした。

Zero/Agni GSX-R750系ベース?
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ZZR600ベースのレーサー
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ドリブン・スプロケットの巨大さとドライブ・スプロケットの小ささが印象的です。
このバイクは1速なのでしょう、チェンジ・ペダルが見当たりません。

RC 8 ベースのレーサー
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Zero/Agniのレーサーもチーム・ノートン・エレクトラスピードダウンが無ければ2位になる事は無かった
思います。
TTXGPの動画を見ていると優勝したLightning Motors のマシンがぶっちぎりで3位以下を
引き離し、2番手のチーム・ノートン・エレクトラのマシンはそれに喰らい付いていきました。
終盤、何故か速度ダウンし、Zero/Agniに抜かれてしまいました。
40年前のデザインを踏襲したチーム・ノートン・エレクトラのマシンはリア・ツインショックでしたが
最新のデザインのマシンを蹴散らす活躍を見せました。

これは敢えてツインショックとする事で車体内部からサスペンション・ユニットを追い出し、
その分、バッテリーを積むスペースを確保する目的があったと考えられます。
ガソリン・タンク・スペースは取り去ったままにし、重心上昇を押さえる事に成功したのでは
ないでしょうか?
やはり、革命的なマシンには革命的デザインが必要だと思いました。

次回はクーリング・マネジメントです。
by SS992 | 2010-06-18 21:19 | メカ談義