当時の
YAMAHAの開発陣によれば、
SRを
チョッパーやダート・トラック・マシンなど
アメリカンテイストのデザイン要素を盛り込んだ
新感覚・新次元のヨーロピアンロードスポーツであり、
アメリカのみならずヨーロッパや日本国内における、
バイクの操縦性・スポーツ性をピュアに追求する
新たなユーザー層の獲得・発展を狙って開発されたモデルでした。
なんとも訳の解からん狙いですが、ともあれ、
バイクは走ってナンボと言う、基本線だけは
外していませんでした。
ダート・トラック・レース
HONDA FTR (ダート・トラック・レーサー・レプリカ)
しかし、販売が始まると誰も予想しなかった市場での反響が沸き起こりました。
それが
BROOKLANDS(英国旧車の輸入/販売の老舗)が始めた
英車テイストのSRカスタムでした。
Norton Manx 500 (1955年式)
BROOKLANDS Norton カスタム
AJS 7R (1950年代)
BROOKLANDS AJS カスタム
BSA DBD34 ゴールド・スター
BROOKLANDS BSA カスタム
当時バイクは
高性能・先鋭化が進み過ぎ、
バイク本来の楽しさを追求しようと言う人たちも増えて
来ていました。
彼等は
英国の旧車に
強い憧れと願望を持っていましたが、
輸入英車(しかも旧車)は
高額でおいそれと
購入出来るものではありませんでした。
そこへ登場したのが
SRをベースにした
英旧車風カスタムだったのです。
また、
SRは
手頃な国産ビッグ・シングルとしても
唯一無二の存在であり、
この点でも高性能・先鋭化を望まないユーザーの心を捉えました。
こうして
SRは本来のスポーツ性の追及から離れて
カスタム・ベースとしてロング・セラーを続ける事に
なりました。
そして今では英車以外にもイタリア車、ひいては日本車(?)カスタムすら行われています。
ベロセット風 (英車)
マチレス風 (英車)
ノートン風 (英車、BSA-SRをベースに使用。)
ビンセント風 (英車)
フルカウル・レーサー風 (英車)
DUCATI風 (イタリア車)
YAMAHA RZ 風 (日本車)
和風テイスト (オリジナル)
WMウエリントン未来派風 (オリジナル)
この様に
SRのカスタム化は考えつく限りの事が行われています。
そして、今までは
外装中心のカスタムでしたが、SRが
FI化した事を受けて
走りの面でも
カスタム化が進むと思われます。
(
この項続く )
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