パンタ系レーサーは
トニー・ラッターという名手を得て
1981年から1984年までの4年間、
マン島フォーミューラTT2で
優勝し続けました。
前回、私は
パンタ系のエンジンは
ベベル系のエンジンに対する
コスト・ダウンを狙ったものだと考察
しました。
しかし、タリオーニ技師の才能は単なるコスト・ダウンに止まりませんでした。
ベベル系をより
リファインした
合理的な設計は
大幅な軽量化と
高回転化を可能にしました。
これはこのエンジンが非常に
レーサーに向いているという事です。
冒頭に記した
トニー・ラッターの活躍は
パンタ600SLから進化した
600TT2マシンが成し遂げたものでした。
そしてこの偉業はエンジンだけが勝れていたから達成されたものではありませんでした。
もう一つの革新、
トリレス・フレームの採用が大きな力となりました。
DUCATI パンタ・レーシングのフレーム
別名
バード・ケイジ・フレームとも呼ばれた、パイプを
トラス構造に組んで
強度を増した構造です。
レーシング・パンタはこの構造のおかげで
軽量のまま
必要な剛性を得る事が出来たのです。
もう一つの特徴は
エンジン後端にスイング・アーム・ピポットを持つ事です。
これにより
エンジン長が長くなるLツインを装備しても
ホイール・ベースを短く設定出来たのです。
この
エンジン、フレーム共に
革新的改良を施した
パンタ・レーシングは
TTF1でも活躍しました。
DUCAT TT1 750ccレーサー
(
この項続く)
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