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「峰風」とともに

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735. 竜の卵 (1) ロータリー・エンジンの誕生

 マツダ(旧東洋工業)の看板として有名なロータリー・エンジンは着想は古く、
1588年にイタリアのラメリーによるロータリーピストン式揚水ポンプが記録に残っています。

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その後、蒸気機関の一種として研究され、蒸気機関の父ジェームス・ワットも開発を試みましたが
失敗、彼が発明したレシプロ式蒸気機関には気密性、耐久性の点で遠く及びませんでした。

その後1938年にフランスのサンソー・ド・ラブーによってロータリー機関の理論飛躍的に
進歩
しましたが、やはり気密性や冷却性に問題があり実用化には到りませんでした。
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1924年、ドイツのフェリックス・ヴァンケル技師(当時20歳)はレシプロ・エンジン往復運動を
回転運動に変換
しているのは非効率であり、エンジンは回転運動のみで完結させるべきだと考えました。
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彼はピストンやバルブの往復運動は高速運転の妨げであり、コンロッドやクランクといった変換機構は
余分なスペース
を生じさせていると考えたのです。
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ヴァンケル・ロータリーが如何にシンプル・コンパクトであるか判ります。

また作動工程も4stより2stに近く、エンジン1回転につき1回の爆発を実現しています。
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かつエンジン作動の各工程を厳密に区分する事が可能なので2stの問題点である混合気の吹き抜けの
問題も吸排気口の位置の工夫によって避けることが出来ました。
         (上の理論図のままでは吹き抜けが起こります。)

しかも出力実排気量の2倍相当の高出力が得られました。

この様にロータリー・エンジンは4stと2stの良いとこ取りをしたエンジンの様に見えました。

しかし、実際は潤滑の問題でガソリンに潤滑油を混ぜる2st方式を取らざるを得ず、排気ガスが汚い
四輪にも共通する事ですが、燃費が悪い排気ガスがマフラーを赤熱させるほど高温であると
いった実用車とするには色々と解決しなければならない問題を抱えていたのでした。

                                                     (この項続く
(クラシック・バイク・ブログ 「クラシックで行こう!」 はこちらから )
by SS992 | 2012-01-06 21:00 | メカ談義