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「峰風」とともに

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33. デスモセディッチRRでましたね。でも複雑な気持ち。

デスモセディッチRR 2006
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たくさんのブログやHPでデスモセディッチRR発表の件は扱われているのでイヤがれるのを承知で技術的考察をさせていただきます。
 もともとLツインが売りのDUCATIがモトグランプリ用のマシンにV4を採用したと聞いたとき私はガッカリしました。馬力を稼ぐには高回転化が必要でその為には極力部品を小さくして高回転に対応するため多気筒化するのがもっとも簡単な方法として採用されてきました。HONDA・YAMAHAが活躍していた第一期GP最盛期には直列8気筒の500ccや4気筒の50ccがあったのです。その後、4気筒制限、6速ミッション制限がなされて日本のワークスは一時GPを去りました。(閑話休題) その例に倣った多気筒化でそれまで培ってきた伝統を生かすためのV4だと思ったからです。しかし、2気筒づつの同爆(しかも僅かにズレた不等間隔爆発)だと知った時V4にしたのはもちろん先に記した理由もありますが主な理由は別にあると考える様になりました。それは給排気効率の増大です。2バルブより4バルブの方が効率が良いのはご存知の通り、それが2気筒分になれば効率の改善は非常に大きいものになります。
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但し、デズモのバルブ駆動メカニズムは複雑になりますが・・・。
バルブシムの数だけで32枚ですよ。(数だけなら他社のDOHC・V4と同じですがデズモですからね。)
DUCATIの技術の高さには頭が下がります。




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                                    同爆不等間隔爆発のV4ピストン


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 この反対の経緯をたどったのがHONDAのNRオーバルピストンでした。一度去ったGPに帰り咲きたかったHONDAは自分達の技術が4stであり2stではないと言うハンデを負っていました。当時のGPに必要な馬力は150hp、当時500ccの4stでこの馬力を実現するには8気筒必要でした、しかし、レギュレーションでは4気筒。HONDAの技術者はこの難問にピストンを楕円にして給排気バルブを1気筒あたり大径・同径の8本のバルブを設置する事で対応しました。
 しかし、一番の問題点はピストンのシール技術でした。 その技術の完成は遅れ、結局GP用には2stの500ccが採用されてしまいましたが90年代についに市販車が登場しました。750ccのそれはHONNDAには珍しいシングルシーターでスポーティーな外観を装っていました。  RcVDによれば「真円ピストンでも可能だった。しかしバルブ駆動システムの複雑さに自信がもてなかった・・・。」とのこと。技術のHONDAとしては辛い選択だったと思います。
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 V4デズモオーバルピストン極力大量空気と燃料を吸い込み一気に燃やして速やかに排出する事が第一目的でした。 ただ惜しむらくは冗長性(リタンダシイ)の面でDUCATIに一日の長があった事です。 それはオーバルピストンの応用の利かなさでした。確かに2気筒で4気筒と同等以上のパフォーマンスが出せるかもしれない。しかし、その価格は・・・。また、V4デズモの場合2気筒づつの同爆で実質2気筒のトラクションを得る事も出来れば同爆の爆発間隔を微調整して最適のトラクションを得ることが出来たのです。NR型のオーバルピストンではこうした細かい芸は望めません。 何はともあれV4デズモは走り始めました。DUCATIHONDAが次はどんな技術に磨きを掛けて来るか楽しみになったものです
by SS992 | 2006-07-21 23:32 | メカ談義