今回は本当は
ダブルクレードルフレームの
話になるはずですが
日本のモーターサイクル界には
他国ではあまり採用されなかったフレームが
あります。
HONDA・スポーツカブC-115 Tボーンフレームの代表。
Tボーンフレームといって薄い鋼板を
プレスして
Tの字形を左右対称に作りそれを
張合わせてフレームとしエンジンやら座席やら
ステアリング、サスペンション、スイングアームを
取り付けたもので主に
125cc以下の小型車に
多く使われました。
部品にした状態 中央のTの字をした物がフレーム
理由はいたって簡単、
量産が利くので
製作コストが安いのです。
バイク普及期には実用車が
まず第1にデザインされ、スポーツタイプは
その実用車をベースに開発されるのが
一般的でした。
エンジンを乗せる前まで組んだ状態 アップマフラーがスポーツタイプの証だったのです。
しかし、いつまでもそれではユーザーは満足しません。
「スポーツ専用設計のものを!」その声に応えるかの様に
SUZUKIはスポーツ専用の
Wolf T-90、T-125を出したのでした。(
1960年代)
Wolf T-90
シングルクレードルフレームの変形とも言える独特のフレームを持っていました。
極端に低い一文字ハンドル、クレードル(ゆりかご、本来はエンジンを包む)の前に
吊られたエンジン、
DUCATIやビモータも真っ青のラジカルなデザインです。
当時の
SUZUKIに こんなデザインが出来る人がいたなんておかしいなと思ったら
「イタリアの巨匠、ジウジアーロ」のデザインだそうです。
安心した反面、悔しくもあります。 次回こそダブルクレードルをやります。