モト・ライダー誌(三栄書房)1977年4月号に載ったロードボンバーの記事。
4/1 エイプリルフールに引っ掛けた冗談として発表されましたが、製作者の
島英彦氏は
本気で速い単気筒のバイクを作ろうとしていました。
その思いが通じたのでしょう。
多くのライダーが発売を信じ、中には愛車を売って金策に走ったライダーもいたそうです。
切っ掛けは当時のGPシーン・・・大体の出場車が2stの中、HONDAの4st 6気筒や
MVアグスタのマルチに混じって単気筒のレーサーが栄冠を争っていたのだそです。
1963年のHONDAのジム・レッドマンとイタリアの
モトモリーニ(単気筒)のタルキオ・プロビーニが
GP最終戦、日本GPで250ccのタイトルを争ったのです。
今はとても信じられない話ですが
単気筒は意外と速かったのです。
モトモリーニ 125cc レーサー 1969 <参考>
HONDA RC166 250cc レーサー1966 <参考>
ロードボンバーと名付けられたこのバイクはエンデューロ
XT500のエンジンをベースに
フレームから作られました。(このフレームの内部には窒素ガスが圧力を架けて充填され、
フレームの損傷が圧力の低下で判る様になっていました。)
しかし、当時は公道を走るためのNo.が取れず、レーサーの道を歩む事になりました。
窒素ガス充填もレースを考えての事のようです。
SHIMA 498
あまりにコンパクトなポジションはステップに足を載せ損なう事もあったそうです。
ガソリンタンクはFRP製、上面中央の帯は無塗装部分です。
これでガソリンの残量を知るのです。
DUCATIと同じ考え方ですが位置が全く違います。(DUCATIは側面)
液面の観察はDUCATIの方が楽ですがライダーには読めません。
反対に
SHIMA 498 はライダーしか読めません。
つまり、DUCATIは給油タイミングの判断を監督が行い、
SHIMA 498 ではライダーが行う、と言う事です。
まさに民族性が現れている部分です。
今、
SHIMA 498 は
バイク・ガレージ スランクストンにレストアされ
展示されているそうです。
スランクストン ロード・ボンバーイメージのSRカスタム・バイク (白)
ロード・ボンバーイメージのSRカスタム・バイク (緑)
SRの源流と言われる事もありますが
SRとロード・ボンバーは
別の物です。 SRは
ビンテージ・カスタムを狙って造られたものです。
残念ながら
ロード・ボンバーの後継者は
KTMのRC4になるのでしょうか?