「峰風」とともに

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カテゴリ:メカ談義( 168 )

632.空飛ぶサスペンション ヤマハ・モノクロス

 「クラシックで行こう!」5.アリエルに見る後部サスペンションの発達でバイクのリア・サスペンション
1944年にはスイング・アームとツインショックを組み合わせたコンベショナル・タイプにまで発達した事を
述べました。

ただ、オン・ロードバイクの場合はコンベショナル・タイプでもあまり不都合は生じ無かったのですが、
オフ・ロードバイクの場合は道無き道を走るため、スイング・アームのトラベル量作動時の安定性
プログレッシブ特性に問題を生じました。


スイング・アームのトラベル量とはスイング・アームがどれだけ動けるか、その動きしろの事です。

コンベショナル・タイプではショック・ユニットの動きしろ=スイングアームのトラベル量です。

作動時の安定性はサスペンションが作動した時、その反力で車体が振られるのを
いかに押さえられるか、です。
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 ヤマハDT-1 (1968年)
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初期のオフ・ロードバイクはオン・ロードと同じコンベショナル・タイプのサスペンション
装備していました。

ヤマハDT-1はアメリカ市場で爆発的成功を収め、ヒットモデルとなりました。

そして、それはそれまでそこそこの量しか無かったオフ・ロードの市場の扉が開かれた事を意味しました。

また、オフ・ロード車による競技も盛んに行われ、各社それぞれがそのバイクの性能にしのぎを削る場面が
見られました。

1974年、ヤマハは再び、オフ・ロード界に革命を起こす新型車、YZ250を送りみました。

YZ250 (1974年)
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 YZ250サスペンション装備状態
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それはスイング・アームを三角形にし、1本のサスペンション・ユニットをほぼ地面と平行に置く、
カンチ・レバー式モノクロス・サスペンションを搭載しており、スイング・アームのトラベル量は増え、
サスペンションの反力が抜ける方向も前進方向になって車体の振られが少なくなりました。
 
また、車体の中央に重量物を集中させ、安定性を増す効果もありました。

ただ、弱点もありました。

サスペンションからの反力がステアリング系を直撃するので場合によっては不安定になる場面
あったのです。

また、プログレッシブ特性は施されておらず、その点では後発の各社に遅れを取りました。
プログレッシブ特性とは、サスペンションの作動時、最初はソフトに地面からの反力を受け止め、
サスペンションが縮み切る直前で踏ん張って底突きさせない特性の事です。)

とは言え、ヤマハ技術陣に改良する判断を遅らせる程にモノクロス・サスペンションは勝れていたのです。

今ではモノ・ショックと呼ばれ、各社のオン・ロードバイクにも当たり前の様に装備されています。
 HONDA VFR750R (RC30) (1987年)
 
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プログレッシブ特性を与えられたものはリンク式モノ・ショックと呼ばれ、
今はこちらが主流ですがコストの問題や味付けの目的であえてカンチ・レバー式を
採用する場合もあります。

 DUCATI SS900  (1998年)
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by SS992 | 2010-11-21 21:00 | メカ談義

621.侠角Vツイン・?パラレル・ツイン?異端の技術 HONDA 位相クランク

 HONDA車でも侠角Vツインを採用していたバイクもありました。(バンク角52°)

それはアメリカンのスティードです。

 スティード(400cc、600cc)
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このバイクのエンジンは元々違うバイクの物で、特殊な構成のエンジンでした。

それはブロスシリーズの52°侠角Vツインです。

 ブロス・プロダクト1 (650cc)
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 ブロス・プロダクト2 (400cc)
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これらのエンジンには位相クランクと言って52°侠角Vツインであるにも係わらず、
1次振動を消去出来る構造が用いられていました。

 位相クランク
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ただし、上図を見れば解る通り、Vツインエンジンの一番の特徴、1つのクランク・ピンに2つのコンロッド
接合される構造では無く、2つのコンロッドそれぞれにクランク・ピンがある、パラレル・ツインの様な構造
取られていました。

当然、エンジン幅も増え、パラレル・ツイン並みの幅になっていたはずです。

従って、これはVツインの形態をしていますが、パラレル・ツインの一種と言えるでしょう。

しかし、エンジンをコンパクトに纏めると言う意味では成功し、HONDAの他のバイクにも応用されました。

 トランザルプ400V (400cc)
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アフリカ・ツイン (初期型は650cc、後期型は750cc)
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 アメリカンのスティードは初期は位相クランクのままでしたが、アメリカンは鼓動を求めるので、
クランク・ピンの位置を敢えて揃えて普通のVツインと同じ効果を生む様にしていました。

これは位相クランクがその構造上、クランクークランク・ピン一体型の削り出しクランクでは無く、
クランクとクランクウエブ、クランクピンを組み合わせる組み立て型クランクを採用していたので
位相クランクの部品をそのまま流用出来、コストダウンを図る事が出来たと為と考えられます。

逆にスティードの鼓動に満ちたエンジンはティスティー・ネイキッド・バイク、VRXロードスターにも
採用されましたが今一つ、インパクトに欠け、短命に終わりました。

 VRXロードスター (400cc)
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この様にVツインの将来性は決して失われようとしている訳ではありませんが、

今、世界中で地球温暖化の影響が叫ばれ、内燃機関はロータリー、レシプロを問わず、批判の矢面に
立たされています。

Vツインもパラレルツインも消滅の危機に立たされているのです。

しかし、化石燃料を使う限り、この問題から逃げる事は出来ないでしょう。

敢えて回転モーターでは無く、リニア・モーターの技術を用いるのなら、今までのノウハウは生かせますが、
何が悲しくて、レシプロ・モーターを使う必要があるのでしょうか?

トラクションの問題等、電動バイクにはない特性も工夫次第でどうにでもなると思えます。

今は電動バイクの最大の難関、エネルギー密度の高い電池の開発を急ぐべきでしょう。

それが我々の大好きなバイクを後世に残す最良の道だと私は考えます。

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by SS992 | 2010-10-08 21:00 | メカ談義

620.Vツイン発展の2つの方向性

 排気量の拡大と共に増えてきた振動の問題は単気筒エンジンを使用する以上、避けられない問題でした。

そこで排気量を拡大しつつ、振動を増やさない為の工夫としてVツインが生まれた事は以前、書きました。

しかし、Vツインエンジンといえども更なる排気量の拡大や回転数の増加には対処しきれませんでした。

しかし、米国の様な直線を飛ばす使い方をする場合、45°侠角Vツインの発する不等間隔爆発による
まるで馬に乗るかの様な鼓動はライダー達を魅了して止まない存在となりました。

「イージー・ライダー」
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 42WA Bobber
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 しかし、日本やイタリアのバイク・メーカーは1次振動を0に出来る90°V(L)ツインを研究、
実用化しました。

日本やイタリアではバイクに求めるものがスポーツ性であり、1次振動を消す事は絶対必要な事でした。

しかし、侠角Vツインに比べ、どうしてもエンジン長が長くなる90°V(L)ツイン
その装備方法を工夫する必要があったと考えられます。

 DUCATI 750GT
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 HONDA VT 250 F
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 HONDA VT 1000 F
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DUCATIもHONDAも1次振動を消す事を目標に研究を重ねていました。

それはあくまでスポーツ走行を前提としたバイクの使用方法がありました。

対して米国ではハーレーに代表される様に侠角Vツインの振動を鼓動として取り、乗り味を重視しました。

そこにはバイクが米国では旅の道具(ツアラー)であり、直線を飛ばさなくても楽しい乗物である必要が
あったのです。

そして、スーパーバイク選手権ではDUCATIがそのLツイン・エンジンの無敵ぶりで一時代を築きました。

 DUCATI 1098 レーサー
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バイクのエンジンは単気筒に始まり、Vツイン、パラレル・ツインの2気筒エンジンとなり、
パラレル・ツインは4気筒マルチへ進化しました。

しかし、V4エンジンV2エンジンから直に進化したものではありません。

どちらかと言うと4気筒マルチ・エンジンを極力コンパクトに纏める為にVツインの技術を応用した物と言えます。

 バイクの歴史に大きな足跡を残したVツインですが、Vツインのパフォーマンスを追及してきた
DUCATIは2011年にはスーパー・バイク選手権から撤退してしまいます。

私はVツインエンジンの発展がこれで止まってしまわないか、危惧します。

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by SS992 | 2010-10-04 21:00 | メカ談義

619.Vツインエンジン (発展)

 やがてバランサー技術も進み、単気筒でも大排気量車が作られる様になりました。

 BSA A10 ゴールド・スター (650cc)
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 ビンセント コメット (500cc)
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但し、1000ccクラスとなると相変わらずVツインの独断上でした。
 ビンセント ブラック・シャドウ (1000cc)
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(コメットのエンジンを2つ組み合わせているのが良く解ります。)

しかし、技術の向上はパラレル・ツインの信頼性をも向上させ、
市販車にもパラレル・ツインが見られる様になりました。

 トライアンフ 6-T スプリングハブ (2気筒 650cc)
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トライアンフのパラレル・ツインは他の単気筒車より僅かに高価なだけでより高性能を示し、人気を博しました。

ここでVツインは過去の物となるはずでしたが、高性能単気筒を組み合わせ、より高性能にする手法が
生まれ、しぶとく生き残りました。(例 ヴィンセント・コメット→ヴィンセント・ブラックシャドウ)

(この項続く)
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by SS992 | 2010-09-30 21:09 | メカ談義

618.Vツインエンジン (誕生)

 オートバイの始まりが補助エンジン付き自転車だった事は皆さんご存知の事でしょう。

 HONDA カブ F52 (1952年)
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オートバイはこの形式を発展させる事で進化し続けました。

 ノートン 8 (1912年)
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エンジンの形式はもちろん、単気筒でした。

 ジレラ 125 
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しかし、より大きな出力を求めて排気量を拡大して行くと振動の問題が無視出来なくなりました。

 BSA スローパー500 (1928年)
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当時はまだ、振動を中和するバランサーを開発する技術が未熟だったので排気量を単純に拡大するより、
気筒数を増やし、出力を向上させる方法が取られました。

気筒数を増やすには2通りの考え方があります。

Vツインにするか、パラレル・ツインにするかです。
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パラレル・ツインはクランク・シャフトに2つのクランク・ピンが必要ですがVツインは1つで済みます。

しかもエンジンの幅は単気筒に対し、コンロッド 1本分しか増えず、コンパクトに纏まります。

この結果、初期の大排気量バイクにはVツインが多くなったと考えられます。

以前、取り上げたブラフ・シュペーリアもVツインでした。

しかし、90°Vツインはまだ現れておらず、振動対策は充分とは言えませんでしたが、45°位の狭角Vツインは
独特の乗り味があり、特に馬を愛する米国人には絶大な支持を得ました。

 ハーレー・ダビットソン 1000cc(1913年)
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 インディアン・チーフ 1000cc(1920年)
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 ハクスバーナ 500 500cc
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(この項、続く)

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by SS992 | 2010-09-26 21:14 | メカ談義

602. バルブ・スプリング の 話

 現在のバイクのエンジンは殆どOHV(スーパースポーツはDOHC)です。
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しかし、1960年代頃までバルブ・スプリングの性能が不十分でエンジンの回転は上げたくても
上げられませんでした。

エンジンの回転を上げる為にはピストンが猛烈な速さで上下し、バルブもそれに合わせて
開閉しなければなりませんが、スプリングの能力が低いとバルブがスプリングの力
戻り切らない内にピストンが上昇して来てバルブとスプリングが衝突してエンジンが壊れてしまうのです。

対策としてはスプリングを強い物に変える事でしたが、今度はエンジン回転の抵抗を増やす結果となり、
あまり良い対策ではありませんでした。

現在ではスプリングの材質も良くなり、この問題はほぼ解決していますが、
イタリアのDUCATI社は1956年に125ccGPレーサー用に有名なデスモドローミック機構を採用し、
バルブの閉じ側もカムで駆動する方法で根本的解決を成し遂げました。

 デスモドローミック機構
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これを発明したのはモンディアル社からDUCATI社に引き抜かれたファビオ・タリオーニ技師です。
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しかし、彼もいきなりデスモを採用した訳では有りませんでした。

 1954年に彼が設計した100ccのベベルギア駆動 OHCシングル レーサー マリアンナ
スプリングを用いるOHCエンジンでした。

 マリアンナ 100cc シングル・レーサー (1954)
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しかし、天才、タリオーニはスプリングに普通のコイル・スプリングは使いませんでした。
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彼はヘヤピン・スプリングを採用したのです。
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デスモを採用していないモデルは1970年代に入ってもこれを使い続けたそうです。
彼は卒論でデスモを構想していましたが、いきなりそれに取り掛からず、まず、今までのスプリング方式の
改良
から始めたのです。


そしてデスモドローミックになってもこのヘアピンスプリングは装着され続けました。
バルブ全閉時の気密性確保のためです。
目的が違うので極弱い物で良かったのでデスモやエンジンの作動の妨げにはなりませんでした。

技術地道な積み重ねによって発展すると言う良い見本です。
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by SS992 | 2010-07-24 21:41 | メカ談義

599.電動バイクの私的デザイン考(7) DUCATI 電動レーサー

 前回まで6回に渡って考察して来た結果を電動バイクの私的デザインとしてまとめてみました。

DUCATI ESS 000  電動バイク・レーサー
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ベースは私の大好きなDUCATI SS620 です。

1.重量物であるモーターとバッテリーは出来るだけ低い位置に積みます。
  ( DCモーター と リチューム・空気・バッテリー )
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2.変速機は電動バイク ケース 4 の システムを採用し、自動変速とします。

3.バッテリー・モーターの冷却は液冷とし、前輪直後のエア・スクープから走行風を取り入れ、
  ガソリンタンク状のラジエター・ユニット内に導きます。
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4.ラジエター・ユニットのカバーの内側にはクロスフロー・タイプでトリプル・コアラジエターを設置し、冷却液を冷やします。
  ラジエター・ユニット後部には送風ファンがあり、ユニット内部を負圧とし、冷却風を後部の排出口へ向けて
  吸い出します。
エアスクープ入り口にはスリットを設け、境界層流を排除します。
(地面近くの境界層流を吸い込むと埃だらけの乱流を車内に入れる事になり、芳しくありません)

ラジエター・ボックス内部のラジエター配置
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ラジエターの基本構造
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5.排出口の側面は走行風が走り、冷却風を吸い出す効果があります。

6.フロント・スクリーンの左右にあるインテークから走行風を取り入れ、フィルターを通った冷風は
  DCモーター後面からモーター内部を冷却し、モーター前面から排出されます。
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DUCATIのエンジニアが見たら笑われるかもしれませんがSSを蘇らせたくてこんな案を作ってみました。

  
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by SS992 | 2010-07-12 21:21 | メカ談義

598.電動バイクの私的デザイン考(6) パワーソ・ソース

 一つ重要な事を忘れていました。
それはパワー・ソースとして何を使うかです。

現在はどの電動バイクもリチューム・イオン・バッテリーを使用している様ですがリチューム・イオン・バッテリーは
エネルギー密度が電気自動車用としては不足しているとの指摘があります。
つまり単位重量あたりのエネルギー密度が不足していると言う事でより
更に重量的余裕のないバイクには不向きだと言う事です。
この点に関してはelimiさんのバイク生活あれこれ(リチューム空気電池どうなった)に詳しく載っています。
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リチューム・空気・電池のエネルギー密度はリチューム・イオン・電池の約10倍だそうです。
今はまだ開発中ですが実現出来れば必ず、バイクや車の電源の主力となるでしょう。
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by SS992 | 2010-07-08 21:37 | メカ談義

597.電動バイクの私的デザイン考(5) カウリング形状とエアロ・マネージメント

 2010年6月10日に行われた電動バイクの世界選手権?TTZeroの優勝車はMotoCzyszのE1pcでした。

MotoCzysz E1pc
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対抗馬と目されたAgni Dustbinはやはり、2位でした。
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Agniのレーサーは前輪まで覆う大きなカウルに包まれていました。
このカウルの事をDustbinと言い、1957年頃まではWGPでも普通に見かけるカウルでしたが、
横風を受けると操縦安定性が悪くなり、事故に繋がるので間も無く禁止となりました。

1957年頃のWGP風景 レーサーは皆、Dustbin を 装備しています。
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TTZeroではまだ禁止にはなっていませんが、その内使われなくなると私は考えます。
MotoCzysz E1pc平均速度は155.9km/h
Agni Dustbin平均速度は143.8k/h でした。
他の要因も絡みますから単純にDustbin効果が無いとは言えませんが、
少なくともこれだけ車体を覆ってしまうと熱対策には苦労したのではないでしょうか?

カウルを開いたAgni Dustbin
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バッテリーが小ぶりで高性能な物を使っている事を窺がわせます。
 モーターやバッテリー冷却用の装備は特に見当たりませんが、これで本当に必要な速度を出し続ける事が
出来たのでしょうか?
ただ、MotoCzysz E1pcと異なり、フロント下方の開口部から吸い込んだ空気は前部カウルの
後部から排出されるのでこの部分にラジエターを設ければ液冷にして充分な冷却が出来ると思います。
反対に、MotoCzysz E1pcはラジエターの直後にバッテリーの壁面があるのでラジエターの効果が
充分有ったかどうか疑問です。
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by SS992 | 2010-07-04 21:20 | メカ談義

596.電動バイクの私的デザイン考 (4)動力伝達機構(b)

 自動変速すればこれらの問題は解決します。 特に無段階に変速出来れば理想的です。
我々の周りには無段階変速する乗り物が沢山走っています。
それはスクーターです。

HONDA フォルツァ 
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無段階変速機構 ( Vマチック機構 )
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 この機構はドライブ・プーリー(エンジン側)とドリブン・プーリー(タイヤ側)をコグド・ベルトで繋ぐ方式で動力を
伝達しています。
そして各プーリーは2枚の傘型の板で出来ていて、更に内側にはコグド・ベルトが噛合う、
が刻まれています。
エンジンの回転が上がるとドライブ・プーリーに仕込まれたウエイト・ローラーが遠心力で外側に移動し2枚のプレートの
間隔
が狭まり、コグド・ベルトが外側に押しやられプーリー直径が増えたのと同じ効果があります。

速度が下がるとバネの力でウエイト・ローラーは内側に戻りプーリーが開いてプーリー直径は小さくなります。

反対にドリブン・プーリーは回転が上がると2枚の歯付き板の間隔が拡がり、プーリー直径が減る効果
生みます。

速度が下がった場合はバネの力でウエイト・ローラーは内側に戻りプーリーは閉じてプーリー直径は増えます。
ムーバル・ドライブ・フェースの傾斜がドライブ・プーリーとはになっているのです。

 ただし、この機構はドリブン・プーリー側にクラッチ等付属の機構が必要なのでこのままでは
後輪のバネ下重が大きくなり、好ましくありません。

変速範囲はレシプロエンジンより狭くて良いのでドライブ・プーリーのみ自動変速すれば充分だと思います。
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ケース 4 の場合、チェーン駆動でなく、コグド・ベルト駆動なので耐久性
心配がありますが、最近はコグド・ベルトもアラミド繊維を編みこむ等、強度は格段に上がっています。
 また、レーサーレース毎に整備をするので問題はありません。
私はこのシステムが一番、電動バイク・レーサーに相応しいシステムだと思います。

次回はカウリング形状とエアロ・マネージメントを考察します。
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by SS992 | 2010-06-30 21:20 | メカ談義