YAMAHA XS-V1 Sakura を主題に
日本美を追いかけて来ました。
明らかになったのは
①
曲線の美がその根幹にある。
複雑なものではなく、
流麗で物語性を感じさせるもの。
②
生のメカニズム的なものは似合わない。
その様なものは
縄文文化的・・・といったほうが良いかもしれません。
③
大柄な模様はそのデザインにもよるが基本的には似合わない。
この3つがSakuraを
再デザイン(あえてカスタムとは言いません。)して行く内に
判ったことでした。
本来、
日本美を語るには対称性、非対称性の問題が絡むのですが
問題が複雑になりすぎるので後世に譲ります。
まだ触れていない文化が2つあります。
漆芸と陶磁器です。
陶磁器は
生でバイク文化に入ってくる事はないと思います。
材質的に重いものですし、またその
脆さがバイク部材としては致命的だからです。
ただ、
セラミック素材として使われる事は考えられますが、それはデザインとしてではなく、極度に優れた耐熱性がエンジン関係など
動力部に関係した処に使われるのみでしょう。

a) 伊賀花入(桃山・江戸初期)銘「からたち」
b) 絵替土器皿(江戸時代) 尾方乾山
c) 色絵藤花文茶壷(江戸時代) 野々村仁清 国宝
d) 絵志野茶碗(桃山時代) 銘「すみよし」
e) 曜変天目茶碗(中国南宋)福建省建窯の製品とされます。
純粋な日本の茶碗ではありませんが日本の茶人達がこよなく愛し、また中国の流行の真似ではなく、
本当に愛された茶碗として私は純粋の日本製品と同等に扱う事としました。
後、残るは
漆芸です。
これは
塗装の一分野として大々的に採用されて然るべき日本文化です。
単なる
漆塗りに始まって
蒔絵、螺鈿、等、様々な応用技術がありますが蒔絵・螺鈿等は近くで楽しむ美なのであまり使われることはないでしょう。

a) 花の白河蒔絵硯箱 (15世紀)
b) 秀衡椀 (江戸時代・生活雑器?)
c) 秋草蒔絵見台 (17世紀)
d) 紅白梅図屏風 尾方光琳・江戸時代 国宝 (d-1)白梅図 (d-2)紅梅図
e) 片輪車蒔絵螺鈿手箱 (平安後期・12世紀) 国宝
f)根来塗水注 (室町時代・生活雑器?)
今回、一番、
単純な漆塗りに限り、バーチャルモデリング化してみました。
(1) 黒一色の塗装(カウルは銀)
(2) カウルも含め黒一色の塗装
(3) (1)に桜吹雪をアレンジしてみました。
(4) (2)に桜吹雪をアレンジしてみました。
(5) カウルのみ黒一色の桜吹雪アレンジ。
(6) (5)を左後からみたもの。リアカウルは黒一色にして前方とのバランスを取りました。
(7) 根来塗に習い、カウルの上半分をオレンジ色にしてみました。
(8) (7)のリア・カウルを外してみました。
(9) カウルを前後ともサクラ色にし明るい感じにしてみました。
(10) (7) の塗装の左側です。

曲面の漆塗りの表現が稚拙であまり美しさがアピール出来ていませんが
リア・カウルは黒の方が全体が締まって見えます。
リアビューにはオレンジ色やリア・カウルなしも用意してみましたが、どちらもさほど違和感がありません。
ただ、これが本物になった時、
漆塗りの美しさはダントツだと私は確信します。
前回とりあげた「枯山水」的日本美とは対象的な
華麗さを売りにした日本美です。
今回私はXS-V1 Sakura のコンセプトに忠実に従ってバーチャルモデリング化してみましたが、
反対にコンセプトを拒否して
非日本文化的にデザインすると言う手もあります。
これは
他のBLOGから拝借してきた物ですが
初代XS-1をモデルにしているそうです。
初代XS-1

とはいえこれだけ色々の
デザインに耐えるXV-S1 Sakura というバイクは
名車の仲間入りを果たすでしょう。
(11) ハーフ・カウルの車体色黒
(12) ハーフ・カウルのサクラ吹雪模様車体色黒
(13) ハーフ・カウルのサクラ吹雪模様車体色サクラ色

YAMAHAという音楽(楽器)、エンジンでも一流の大メーカーの底力を見た思いがします。
技術一筋のKAWASAKI、SUZUKIとは一味違った商品展開を図っています。
HONDAはやはり、技術一筋に違いはありませんがその発想、スケールが他の2社とは違います。
ただ、今回は伝統的日本美と言うテーマでバイクを論じて来ましたので
HONDAの特異性については別論に譲ります。
なにはともあれ
YAMAHAさん、XS-V1 Sakura 必ず出してください、お願いします。
なお、その時、
シングル・シート、フルカウル付きも検討して下さい。