一番
最後にREバイクを扱ったのは皮肉にも
英国の老舗、ノートンでした。
ノートン・クラシック (1988年式)
仕様: 空冷2ローター 588cc
最高出力:
80ps/9000rpm
最大トルク:
6.98kgf/7000rpm
最高速度:
200km/h
車両重量:
229kg
バン・ビーンから更に
10年の歳月が流れているので
エンジン周りはより洗練されている様にみえます。
特徴的なボックス状フレーム
ノートンのフレームと言ったら
フェザー・ベッドと呼ばれた
ダブル・クレードルの物が有名ですが
RE車ではその伝統を捨てていました。
RE車を扱っていた時代の
ノートンは通常の
レシプロ・エンジンのバイクをほとんど作っていません。
これは
1960年代のノートンが持っていた
重大な問題と関係がありました。
それは
大排気量の
パラレル・ツイン(360°クランク)・エンジンを積んでいた事に起因する
振動問題でした。
この問題を解決する為に今のスクーターのエンジン搭載方式の様な
アイソラスティック機構と言う方式まで
採用していました。 (接合部はラバー・マウント)
基本的に
振動問題の少ないREは
ノートンにとって他社よりもより
魅力的に感じられたのではないでしょうか?
しかし、他社も悩まされた冷却問題や重量問題、ひいては高価格といった問題はノートンと言えども
無視出来ず、また、この当時販路の無い事も大きなマイナス要素となってノートンのREは消滅しました。
ノートン F1 (1991年式)
仕様:
水冷2ローター
排気量:
588cc
最大出力:
95ps
車重:
192kg
価格:
450万円
当時としてはかなりの高性能でしたが価格がこれほど高額では売れるはずもありませんでした。
こうしてRE車はメーカーとユーザーそれぞれに夢と挫折を残して消え去りました。
しかしレシプロ・エンジンの技術の熟成に多大な貢献をしたと思われます。
REの技術は決して無駄には成らなかったのです。
(
この項了)
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